中国、リトアニアの2銀行を制裁リストに追加-EU制裁への報復
- 中国商務省、EUに国益を損なう行為をやめるよう求める声明
- リトアニア、中国大使館職員3人を昨年追放-緊張関係に
中国商務省は13日の声明で、リトアニアのウルボ銀行とマノ銀行を制裁リストに追加したと発表した。ロシアによるウクライナ侵攻を理由に欧州連合(EU)が一部の中国銀行を制裁したことへの報復措置を実行した。
この制裁により、中国国内の組織や個人はこうした金融機関との取引、協力、その他の活動が禁止される。商務省は別の声明でEUに対し、中国との関係を大切にし、誤りを正し、国益を損なう行為をやめるよう求めた。
EUの執行機関、欧州委員会の経済安全保障担当の報道官は「正式に通知を受け次第、措置を詳細に検討し、追加措置を取るかどうかを判断する」と述べた。また、「EUは、制裁対象となった中国企業の問題について、すでに中国と建設的な関与を行っている」としている。
EUは7月、対ロシア制裁の一環として、中国の銀行2行と中国を拠点とする5社を対象に加えた。EUは、これらの銀行が暗号資産サービスを提供し、制裁の効果を損なっていたとしている。
中国とロシアの緊密な関係は、米国による同様の制裁措置の対象となる要因ともなってきた。制裁により、中国の銀行は事業や取引先の見直しに迫られた。中国の一部国有銀行は昨年初め、米国がモスクワの戦争遂行を支援する海外金融機関に二次制裁を承認したことを受け、ロシアの顧客への融資制限を強化した。
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中国はリトアニアの2銀行を制裁対象とした理由を明らかにしていないが、同国との緊張が背景にあるとみられる。リトアニアは昨年、中国大使館職員3人を国外追放した。
近年は、対ロシア支援や貿易問題を巡って、中国政府とEUの関係も緊張している。欧州委員会のフォンデアライエン委員長が7月、中国を貿易の歪曲や欧州企業へのアクセス制限で非難したことに対し、中国政府は反発していた。
原題:China Sanctions Two EU Banks, Hitting Back at Europe’s Moves (2)(抜粋)