NY外為市場=ドルまちまち、FRB議長講演に注目
ニューヨーク外為市場では、主要な経済指標の発表がない中、ドルは対ユーロで上昇した一方、対円では下落するなど、方向感を欠く取引となった。2010年9月撮影(2025年 ロイター/Yuriko Nakao)
[ニューヨーク 19日 ロイター] - ニューヨーク外為市場では、主要な経済指標の発表がない中、ドルは対ユーロで上昇した一方、対円では下落するなど、方向感を欠く取引となった。
市場では、連邦準備理事会(FRB)が9月16-17日の連邦公開市場委員会(FOMC)で利下げに動くか、米ワイオミング州で開かれる年次経済シンポジウム「ジャクソンホール会議」でパウエルFRB議長が22日に行う講演が注目されている。
UBS(ニューヨーク)の為替・マクロストラテジスト、ワシーリー・セレブリアコフ氏は 「先週の時点では、9月の会合で約25べーシスポイント(bp)の利下げが決定され、年内にあと2回以上の 利下げが実施されるとの予想が織り込まれていた。このため、パウエル議長がジャクソンホールでの講演で9月の利下げに十分にコミットしていないと受け止められる発言を行えば、市場が肩透かしを食らうリスクがあった」と指摘 。 ただ、 「現時点での予想は9月の会合で約20bp、年内その後に約50bpの利下げを織り込む水準となっているため、(パウエル議長の発言を巡る)リスクはバランスが取れてきている」と述べた。
FRBは前回7月29─30日のFOMCの記事要旨を20日に公表する。ただ、同FOMCは波乱があった7月の雇用統計が発表される直前に開かれたため、現状に即した情報はあまり得られない可能性があるとの見方も出ている。
市場では、ロシア・ウクライナ戦争の終結に向けた動きにも注目。トランプ米大統領は18日にホワイトハウスでウクライナのゼレンスキー大統領のほか、欧州首脳との会談を実施。トランプ氏はこの日、ウクライナに対する「安全の保証」の関与について具体的に明らかにしなかったものの、米軍の地上部隊派遣の可能性については改めて否定した。
終盤の取引で主要通貨に対するドル指数は0.15%高の98.27。
ユーロ/ドルは0.12%安の1.1646ドル。ドル/円は0.22%安の147.54円 。
暗号資産(仮想通貨)のビットコインは2.88%安の11万3112ドル。
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