家庭に“40%節水”呼びかけ 水田にも影響…空梅雨の上越市で“歴史的渇水”
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新潟県上越市では、歴史的な渇水が続いています。
いま、上越市の家庭では、普段の40%もの節水が求められています。
要請区域内の住人
「実は、これ、きのうのお風呂の湯。そのまま落とさないで、もう1日入って落とす」
ひと家庭で、1日あたり200リットルの節水。つまり、浴槽1杯分くらいの使用を控えようということです。
要請区域内の住人
「(植木も)枯らさないようにしなきゃいけないけど、たっぷり(水)はあげられない。行政の方でも言っているので、少しでも役に立たないといけない、つらいところ」
上越市内で最も大きい城山浄水場からは、ほとんど水が届けられていない状態です。4月、上流にある発電所と、ダムの間でトラブルが発生。ダムから水を引く配管が破損して、城山浄水場に水が送れなくなりました。その間も、市は、別のダムからの供給量を増やして、対応にあたりましたが。
下村彩里アナウンサー
「新潟県上越市内の水道水を供給しているダムの1つ、正善寺ダムです。本来ならこの時期、たっぷりと水を蓄えているはずなのですが、いまは、斜面がむき出しになってしまっています」
例年なら、80%以上の水をたたえているダムなのに、17日の貯水率は24%。もう1つのダムからの供給が止まったため、ここから大量の水を送り続けたのが、最大の要因です。
上越市ガス水道局 西山勝寛局長
「通常、水につかっていると、草は生えないので、私自身も初めて見る光景。衝撃的な光景」
上越市は、15日、31年ぶりとなる渇水対策本部を設置して、市民に節水をお願いすることにしました。
31年前、“平成の大渇水”では、日本中が水不足で苦しむことになります。 当時、上越市が呼びかけたのは、30%の節水でした。今回、それを上回る40%以上という目標に深刻さがうかがえます。
約4万6000世帯、10万人あまりが節水の対象となります。
上越市では、この梅雨、平年の2割ほどしか雨が降っていません。この先もしばらく、まとまった雨はなさそうです。
米どころ、新潟。その水田には、もう影響が出始めています。
グリーンファーム清里 保坂一八代表
「雨がないので、真っ白になって、ひび割れて。本来だったら、葉っぱが広がって、緑緑して、茎の中で穂になるもとができ始めている。水不足で、自分の体から水を出さないようにと、葉っぱを丸くしてしまう」
令和のコメ騒動を受けて、今年は、飼料米の作付けを減らし、食用米の生産を増やしたばかりでした。
グリーンファーム清里 保坂一八代表
「これからの天候にもよるけれど、半分か3分の1か、それくらいしかとれないかな。品質も非常に落ちるだろうなと」