今週の主要仮想通貨材料まとめ、リップル裁判終結やイーサリアム関連の投資根拠分析など

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前週比の騰落率(3日〜9土)

  • ビットコイン(BTC):116,691ドル +2.5%
  • イーサリアム(ETH):4,011ドル +15.8%
  • XRP(XRP):3.29ドル +12.4%
  • ソラナ(SOL):176.86ドル +9.8%

時価総額上位の暗号資産(仮想通貨)銘柄を中心に、過去1週間の材料をまとめた。

時価総額1位:ビットコイン(BTC)

米ストラテジー社のマイケル・セイラー会長が4日、「FOXビジネス」のインタビューで、ビットコインは長期的に保有すべき資産であると改めて語った。ビットコインを「スズメバチの群れ」のように制止できない資産であると表現し、ウォール街はビットコインを過小評価してきたとも指摘している。

関連:「ビットコインは“21年間”保有したい長期資産」ストラテジーのセイラー会長

また、ブラジル下院が、戦略的ビットコイン準備金設立に関する初の公式討論会を8月20日に開催すると発表。エロス・ビオンディーニ下院議員が2024年11月に提出した法案4501/2024について、専門家と一般市民に開かれた形で議論する。

関連:ブラジル下院、ビットコイン準備金法案の公式討論会を8月20日開催

さらに、ファンドストラット共同創設者のトム・リー氏が6日のCoinStoryインタビューで、ビットコイン価格の2025年末25万ドル到達を予測。変動の激しい上半期を経験したビットコインだが、年末までに12万ドルを突破し、最終的に20万~25万ドルに達する可能性があるとの見通しを示している。

関連:ビットコイン、年末に最大25万ドル到達の可能性=トム・リー予測

関連:ビットコインの買い方|初心者が知るべき投資メリット、リスク、最適な取引所選び

時価総額2位:イーサリアム(ETH)

米上場企業のビットマイン・イマージョン・テクノロジーズが4日、イーサリアム保有量が30億ドルを超えたと発表。米国時間8月3日の時点で833,137ETHを保有し、世界最大のETHトレジャリー企業としてETH保有数を拡大している。

関連:米ビットマイン、イーサリアム保有額4500億円超

また、スタンダードチャータード銀行のデジタル資産リサーチ部門責任者ジェフリー・ケンドリック氏が7日の投資家ノートで、イーサリアム財務企業がその現物ETFよりも強い投資根拠を持つとし、「非常に投資しやすい」資産になったとの見解を示した。イーサリアム財務企業の純資産価値(NAV)倍率が「正常化を開始」し、1倍超を維持する見通しだと説明している。

関連:スタンダードチャータード「イーサリアム財務企業がETFより優位」

さらに、シャープリンク・ゲーミング(ナスダック:SBET)が7日、機関投資家4社との証券購入契約締結を発表。1株19.50ドルの直接募集(ATM)により総額約2億ドルを調達し、8月8日頃に取引完了予定となっている。

関連:米シャープリンク、2億ドル資金調達でイーサリアム保有拡大へ

関連:イーサリアムの買い方|初心者が知るべき投資メリット、リスク、おすすめ取引所選び

時価総額3位:XRP

米証券取引委員会(SEC)とリップルラボの弁護士らは、第2巡回控訴裁判所への控訴を相互に取り下げることで合意したと8日に発表。仮想通貨業界で最も重要な法的争いの一つが事実上終結することとなった。

関連:リップルとSEC、控訴を相互取り下げで法廷闘争が終結 5年間の争いに決着

また、リップル社が7日、ステーブルコインの国際決済プラットフォームを提供する「Rail」を買収することで合意したと発表。買収金額は2億ドルで、これから両社で協力して、ステーブルコインの包括的な決済ソリューションを提供していくと説明している。

関連:リップル社、ステーブルコイン決済企業Railを買収へ XRPやRLUSDなどの高い流動性を提供

関連:XRPの買い方|初心者が知るべき投資メリットと注目点、最適な取引所選び

時価総額5位:バイナンスコイン(BNB)

米ナスダック上場のニコチン製品企業CEAインダストリーズが5日、5億ドルの私募増資完了を発表。バイナンス創設者チャンペン・ジャオ氏の投資会社YZiラボが主導し、パンテラキャピタル、GSR、ブロックチェーン・ドットコムなど140以上の投資家が参加した。

調達資金は世界第5位の仮想通貨ビルドアンドビルド(BNB)の購入に充てられ、BNBチェーンエコシステムを中心とした財務戦略を展開する。

関連:CEAインダストリーズが5億ドル調達完了、世界最大のBNB財務会社へ

時価総額6位:ソラナ(SOL)

ソラナのスマートフォンを開発するSolana Mobile(ソラナ・モバイル)が4日、予定通り同日からソラナスマホ二代目の機種「Seeker(シーカー)」の出荷を開始したと発表。50超の国に出荷を行っており、これから数週間かけて手元に届いていくと説明した。

関連:二代目ソラナスマホのSeeker、50超の国へ出荷を開始 モバイルWeb3の新時代へ

関連:ソラナ(SOL)の買い方|初心者が知るべき投資メリット、リスク、最適な取引所選び


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レイヤー1ブロックチェーン「Neo(ネオ)」は、2014年に中国で立ち上がり10年以上にわたり開発が続く長い歴史を持つプロジェクトだ。イーサリアムと似た機能を備えることから “中国版イーサリアム” とも呼ばれ、アプリ開発に必要な機能を標準搭載した使いやすい設計が特徴である。

ブロックチェーン開発にありがちなツールの分断や複雑さ、開発環境の制限といった課題に向き合い、「人が自由に経済活動を行える世界」=スマートエコノミーの実現を掲げてきた。 その基盤として、オールインワンで開発可能なNeo N3や、イーサリアム互換を持つNeo Xを整備している。

さらに近年は、AIの進化を背景に「AIが経済活動を担う時代」=センチエントエコノミーを構想し、2025年には中核となる新OS「SpoonOS」を発表した。 加えて、国内仮想通貨取引所の「OKCoin Japan」への上場、日本最大規模のWeb3カンファレンス「webX」への継続出展、日本発Web3投資ファンド「gumi Cryptos」との提携など、日本市場を戦略拠点として位置づけている。

本記事では、Neoの基本構造から最新の技術トレンド、さらには日本市場における取り組みまで、現在のNeoの全体像を解説する。

Neo誕生の背景(これまでの課題点)

ブロックチェーンが登場した当初、多くのプロジェクトは「金融取引の代替」や「通貨発行」に焦点を当てていたが、やがてスマートコントラクト技術の進化によって『アプリケーションの構築』へと活用の幅が広がっていった。

こうした潮流のなかで、より簡単にブロックチェーン上でアプリやサービスを開発できるようにすることを目的として、2014年に中国で誕生したのがNeoだ(当時はAntsharesとして始動)。

技術的な自由度と開発者の使いやすさを両立しながら、スマートコントラクト・デジタルID・資産管理といったブロックチェーンに不可欠な機能を標準で備えるプラットフォームを目指し、Neoは構想・開発を重ねてきた。

Neoとは?

Neoは、ブロックチェーン上でアプリやサービスを作る人たちにとって、使いやすく、整った開発環境を提供することを目的に設計されたレイヤー1のブロックチェーンである。

Neoが掲げるのは「より簡単にブロックチェーン開発ができる世界」であり、その実現のために2つの基盤―「Neo N3」と「Neo X」を開発してきた。

オールインワンで完結する「NEO N3」

ブロックチェーン上でアプリを作るには、スマートコントラクトやストレージ、オラクル、ID管理など多くの機能を組み合わせ、従来の開発環境では、これらを外部ツールから寄せ集めて構築する必要があり、手間もリスクも大きかった。

NEO N3は、そうした課題を解消するために生まれた。アプリ開発に必要な機能をすべてあらかじめ内蔵したオールインワン型のプラットフォームであり、開発がNeo内で完結するのが最大の特徴だ。

また、複数のプログラミング言語に対応し、Web3未経験の開発者にも開かれた、柔軟で親しみやすい開発環境を整え、さらにNeoは、「dBFT」という独自のしくみを使って、ネットワークの安全性とスピードのバランスを取っている。これにより、1秒間に最大1万件の取引を処理できる高性能なブロックチェーンとして、実用性の高い環境を実現している。

開発の幅を広げるサイドチェーン:Neo X

Neo N3は、高速かつ安全なアプリ開発環境を提供する一方で、独自の言語であるNeoVM上で動作するため、Web3で主流のEVM(Ethereum Virtual Machine)と互換性がないという課題があった。

EVMとは

Ethereum Virtual Machine。イーサリアムのスマートコントラクト実行環境。EVMとの互換性を得ることで、ユーザーや資産、dAppsの相互乗り入れが容易になるため、良くも悪くも戦略で重視される。

仮想通貨用語集

EVM向けの言語Solidityや既存ツールが使えないことから、開発者の参入や資産の流入にハードルがあり、拡張性の面で限界があった。

そこでNeoは、EVM開発者も柔軟に参加できる土台として、2024年にEVM完全互換の新サイドチェーン「Neo X」を公開した。

Neo Xの登場により、Neo N3が持つオールインワン型の開発環境や高速な処理能力といった強みを活かしながら、SolidityなどEVMベースのツールや資産にも対応できるようになった。これにより、より多くの開発者がNeoエコシステムに参加しやすくなり、既存のEthereum系プロジェクトの展開もスムーズに行えるようになった。

さらに、 取引の先回りや不公平な並び替えを防ぐ設計「MEV耐性」を導入しているため、開発者とユーザー双方にとって公正な取引環境を提供することができる。

Neoの歴史と運営体制

Neoは、2014年に Da Hongfei(ダ・ホンフェイ) と Erik Zhang(エリック・チャン) によって「Antshares」として設立されたブロックチェーンプロジェクトである。当初、中国・上海を拠点に10人足らずのメンバーで始動したが、現在では50人以上の組織へと成長し、Microsoft、Facebook、Amazon、Samsungなどの大手企業出身者も含むグローバルな開発者コミュニティを形成している。

開発実績

2014年 プロジェクト発足(Antsharesとして始動) 2016年 MainNetローンチ 2017年 Neoへリブランディング 2021年 Neo N3ローンチ(最大規模のアップグレード) 2024年 Neo X(EVM互換サイドチェーン)公開 2025年 SpoonOS構想発表(AI × Web3エージェント基盤)

経営陣

共同創設者兼Neo Foundation会長: Da Hongfei氏2014年にNeoの前身であるAntsharesをErik Zhang氏と共に設立した共同創設者であり、現在はNeo Foundationの会長およびNeo Global Development(NGD)のCEOとして、エコシステム全体の戦略立案と実行を統括している。

共同創設者兼チーフアーキテクト: Erik Zhang氏Da Hongfei氏と共に設立した共同創設者で、Neoのチーフアーキテクトとして、独自のコンセンサスメカニズムであるdBFTを設計し、プロトコルの設計および開発を担当している。

資金調達

Neoは2016年にICO(トークン販売)を通じて約500万ドルを調達し、開発およびエコシステムの構築を進めてきた。

持続可能なトークンモデル

Neoが外部資金に依存せずにプロジェクトを継続できた背景には、独自の「デュアルトークンモデル(NEOとGAS)」の存在がある。

この2つのトークンが、Neoのネットワーク運営と経済的持続性を支える基盤となっている。

デュアルトークンモデル

NEOでは、「NEO」と「GAS」という2種類のトークンが存在する。これは、ネットワークの運営(NEO)と利用(GAS)を分離することで、シンプルかつ持続的な設計を実現するためのものだ。

NEO:ネットワークの根幹を支えるガバナンストークン

NEOはジェネシス段階で総供給量1億枚を発行し、このうち5,000万枚をICOで販売、残る5,000万枚はNeo Foundationがロックアップした、主に開発費やエコシステム拡充の資金源として活用されている。

NEOは、ノード選出やネットワークの意思決定など、ガバナンスに関わる機能を担う基軸トークンだ。分割ができない設計となっており、1単位ごとにGASを生成する仕組みが組み込まれている。保有者は、トークンを保有しているだけでGASを得ることができるため、ネットワーク参加のインセンティブとしても機能している。

NEOトークン基本情報 総発行量 1億枚 時価総額 約550億円 市場ランク 130位 流通チェーン Neo N3 主な取引市場 Binance, Upbit, OKX *2025年7月8日時点 時価はコインマーケットキャップ参照

GAS:ネットワークの利用を支えるユーティリティトークン

GASは、スマートコントラクトの実行やトランザクション処理といったネットワーク利用に必要な手数料として用いられる。GASは、ブロック生成ごとに発行され分配される仕組みとなっており、10%がNEO保有者に、80%が投票参加者に、残りの10%がネットワーク運営を担うNeo Councilメンバーに配分される。単なる保有だけでなく、ガバナンスやノード運営への参加に応じて報酬が得られる、インセンティブ設計が特徴となっている。

GASトークン基本情報 総発行量 6,500万枚 時価総額 約270億円 市場ランク 186位 流通チェーン NEO N3 主な取引市場 Binance, Upbit, OKX *2025年7月8日時点 時価はコインマーケットキャップ参照

持続可能な運営のための経済モデル

Neo Foundationなどの主要な保有者は、NEOの保有→GASの生成→市場での売却→資金化という流れにより、継続的な運営資金を確保してきた。このモデルによって、VC資金や頻繁な外部調達に頼らず、ネットワークの経済活動そのものが運営基盤となる仕組みが構築されている。

日本市場への展開

NEOは2019年以降、gumi Cryptosとの提携、国内取引所上場、WebX参加を通じて日本市場での展開を強化。NEOは日本を戦略的重要市場と捉え、Web3エコシステムの拡大を目指している。

gumi Cryptosとの提携

2019年8月、NEOはgumi Cryptos Inc.と戦略的パートナーシップを締結した。gumi Cryptosは日本市場でのマーケティングとコミュニティ形成を支援し、NEOのブロックチェーン技術を活用したゲームなどのWeb3アプリケーションの展開を促進。両社は日本の開発者がNEOエコシステムに参加しやすい環境を構築し、ワークショップやイベントを通じて技術普及を目指している。

WebXへの展開

Neoは2023年のWebX初開催から、3年連続でスポンサーとして参加。2023年はシルバースポンサー、2024年はプラチナ、そして2025年はゴールドスポンサーとして名を連ねている。

この継続的な支援は、日本の開発者・企業・コミュニティとの関係構築を重視し、長期的な協力体制を築く意向を示すものとなっている。

関連:WebX 2025特集|国内最大Web3カンファレンスの見どころとチケット料金、参加方法は?


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