一度断った背番号22を身にまとい、角田涼太朗がリスタート。 これ以上ない補強がトリコロールの力を底上げする [角田涼太朗加入会見全文]

「サッカーキャリア第1章が終わった。ここから新たな章の幕開け」

マリノス復帰となった角田涼太朗の葛藤と覚悟が、この言葉に凝縮されている。

欧州で過ごした1年半は決して順風満帆ではなかった。ハムストリングの手術と左膝の手術で多くの時間をリハビリに費やし、ピッチに立っても所属元のカーディフとレンタル先のコルトレイクの両方が下位カテゴリーに降格する憂き目にあった。

それでも断言する。

「もちろん苦しい時間が長かったけど、間違いなく行って良かったことの方が多かった。できない経験や出会えない人がいた。海外ではプレースタイルの違いがあって、その中でタフに戦うことを知ったし、能力だけでは太刀打ちできない身体能力を持った選手がいて、いかに賢く戦うかを学べた」

再出発の場所として「ホーム感がある」(角田)マリノスを選ぶのに葛藤はあっても、迷いはなかった。「移籍金がかかってしまうことだったり、1年半で戻ること、申し訳なさと情けなさ、それでもチームを助けたいという想いがあった」。最後は残留争いに巻き込まれ、もがき苦しむチームの力になりたいというシンプルな動機が勝った。

以前の在籍時に一度断った背番号22を身にまとい、角田涼太朗がリスタート。これ以上ない補強がトリコロールの力を底上げする。

[コメント]

DF 22 角田 涼太朗

「お久しぶりです。またこのチームに帰ってこれたことを本当にうれしく思っています。もちろんいろいろな声や意見があるのも認識しています。ただ自分にできるのはチームのために自分がやれることを捧げるだけなので、このチームの最低目標である残留に向けて自分の力で貢献していきたい」

――加入リリースのコメントに「まだまだ追い求めたいキャリアがあった」とあったが、何が決め手となって復帰を決意した?

「いま世界を見ればたくさんの日本人選手がトップレベルで活躍していて、僕もそれを目標にやっていますし、それを目標に海外へ行きました。ただ大きな怪我をして海外ではリハビリの時間を多く過ごして、チームが降格して、どこでプレーすべきか、どうやってキャリアを築くべきかを考えた時に、Jリーグという選択になった。離れてからもこのチームのことを見てきて、苦しんでいる姿を見てきて、力になりたいという思いが決め手になりました」

――率直にマリノスのユニフォームを着た感想や実感は?

「ホーム感があるというか、この色にも馴染みがあります。一緒にやっていた選手もいますし、面識がある選手もいる。一緒にやっていたスタッフもいる。一番はホームだなと感じました」

――海外では苦しい時間の方が長かったと思うが、その中でも吸収できた部分や成長した部分は?

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