原英莉花が米下部ツアー初V! 昨年よりも“飛んで曲がらない”理由は何?【優勝者のスイング】
「ワイルドホース女子ゴルフクラシック」にてエプソン・ツアー初優勝を飾った原英莉花のスイングをプロコーチの南秀樹が解説する。
原英莉花が米下部のエプソン・ツアーで初優勝を飾った。1打差の3位タイから逆転を目指した最終日は、7番からの5連続など、10バーディを奪う猛攻。現在平均ストローク69.81の安定感を誇るスイングから学ぶべき点をプロコーチの南秀樹に聞いた。
◇方向性を高めながらも、飛距離も落とさない。今季の原さんのスイングを見ると、そんなテーマでマイナーチェンジをしたように感じます。 方向性を高めているのはややアップライトになったスイング軌道。オンプレーンでインサイドが強かった昨年に対し、今季はややアップライトになったことで、インパクトラインがより真っすぐになったと思います。 左右の体重移動を抑えているのも方向性を高めている要素。今季はやや前傾を起こし、左足体重でアドレスを作っています。以前はテークバックで右への体重移動が大きく、右サイドで捌いていた印象ですが、体重移動を抑えた今はほぼ体の真ん中で打っているように見えます。 体重移動を抑えながらも飛距離が落ちないのは、ボールに体重を乗せられているから。以前は左腰を引くようにキレのある動きをしていましたが、今は右腰を押し込んでいく強さが感じられます。インパクト付近で、以前よりも腰の位置が左足寄りにあり、よりボールに圧をかけられていると思います。 原選手のような体重移動は、“飛んで曲がらない”を追求する多くの方に参考となる動きです。この感覚をつかむには、左右に足踏みをしながら、トップにいくときは右カカトと左ツマ先。ダウンでは左カカトと右ツマ先に乗ること。体重は足の内側で受け止め、小指の外に力が逃げないようにしてください。 ボールに圧をかけ、押し込むには左足体重のインパクトがマストです。そのための練習が、壁や柱のすぐ近くに立って素振りをすること。体の左サイドに壁や柱が来るようにしてアドレスしたらインパクトでは体や頭が流れないように、壁や柱に当たらないようにして左足体重を作ります。原選手のように右腰を押し込むように、左足へ乗っていくイメージを持つのもいいでしょう。そのままトップへと逆再生し、再びインパクトへ。この反復練習がインパクトやトップでの最適な体重配分を教えてくれるのです。
■原英莉花
はら・えりか/1998年生まれ、神奈川県出身。今季からは国内女子ツアーのシード権を放棄し、米国女子下部ツアーに参戦。トップ10に度々入る活躍を見せ、8月の「ワイルドホース女子ゴルフクラシック」にて米初優勝。来季の米国女子ツアー入りを確定させた。NIPPON EXPRESS ホールディングス所属。■解説:南秀樹プロゴルファーである父の影響でゴルフを始め、高校卒業後にティーチングプロ資格を取得。クラブを使うことを主とする指導法が高い評価を得ている。幼少期から鈴木愛を指導するなど、ツアーで活躍する数多くのプロをサポートしている。(株)ボディスプラウト所属。◇●山下美夢有は何位にランクイン?関連記事【女子プロの”スイング完成度”ランキング 岩井姉妹、小祝さくら、竹田麗央……No.1は一体誰?】でトップ10を発表!