ispace袴田CEO「月面探査、前に進める強い気持ちを維持」
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宇宙スタートアップのispace(アイスペース)は6日、月面着陸が失敗したことを受けて東京都内で記者会見を開き、袴田武史・最高経営責任者(CEO)らが登壇した。袴田氏は「着陸に失敗した事実を重く受け止めなければならないが、前に進む強い気持ちを持ち続けたい」と述べた。主な一問一答は以下の通り。
- 【関連記事】ispace、月面着陸は失敗 減速できず衝突か
袴田氏「予定していた着陸に必要な速度まで減速できていなかったことが確認されている。 最終的に月面にハードランディングした可能性が高いと推測している」
――2023年4月の1回目の挑戦と同様に、月面までの距離を測定するセンサーにトラブルがあったのか。
氏家亮・最高技術責任者(CTO)「高度を測るセンサーで有効なデータをとれるタイミングが遅かった。想定していたより低い高度から計測が始まったため、(着陸に向けての)減速が十分にできていなかった。前回とは異なる現象が観測されており、現時点では同じ原因とは判断できない。原因はこれから調べていく」
袴田氏「原因を解明して、前回の学びが適用できていたのか判断する必要がある」
――今回の失敗を受けての心境は。多くの企業の支援もあったが、どう受け止めているのか。
袴田氏「2回目も着陸ができていない事実を非常に残念に思っており、支援してもらった方には申し訳ない気持ちがある。重く受け止めていきたい。次につなげることが我々の責務。月の探査や活動が日本で続く潮流を維持していきたい。気持ちを切らすことなく前に進める強い気持ちを持ち続けたい」
――株主や財務への影響はどの程度か。
野﨑順平・最高財務責任者(CFO)「多くの株主に心配をかけている。じくじたる思いだ。不安を払拭して信じてもらえるようにする。資金面では、幸いなことに様々な金融機関や個人投資家、機関投資家に支援してもらっている。すぐに悪化する状況ではない。今回の着陸前から収益の黒字化を実現できておらず、財務を手当てしなければならないことに変わらない。全力で説明責任を果たしていく」
――27年には3回目と4回目の着陸も計画しているが、影響はあるのか。
袴田氏「現在の現象を観測したレベルでは、直接影響があるかどうかについて申し上げにくい。根本的な原因を解明し、続くミッションにどのような対策をするべきか検討していきたい」
――原因究明までにはどのくらいの時間がかかるのか。
氏家氏「現時点では期限はお答えできない。早い段階で原因を究明できるようにしたい」
――今回の結果を受け、月はやはり難しかったと感じているか。
袴田氏「2回目の着陸もできていないので、普通に考えると月の着陸は難しい。誰でもできるものではなく、難しいという認識はある。ただ、重要なのは不可能ではないということ。難しさをどのように克服するか突き詰めていきたい 」
(大西綾、黒田愛奈、桑村大)
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