アップルCEO「日本がなければiPhoneのカメラは作れなかった」→その理由がスゴすぎる(g.O.R.i)

g.O.R.iテック系ブログメディア『ゴリミー』管理人

Appleのティム・クックCEOが、日本の横浜テクノロジーセンター(YTC)を視察しました。そこで語ったのは、iPhone 17シリーズのカメラシステムが、日本の技術力なしには実現できなかったという衝撃的な事実です。

クックCEOは「日本は歴史的にも現在も、カメラ分野で重要な専門性を持つ国だからこそ、素晴らしいコラボレーションが実現できる」と述べています。実際に、その成果は確実に現れているといえるでしょう。

■1983年から続く特別な関係

Appleが日本で最初のオフィスを開設したのは1983年のことです。それから40年以上にわたるパートナーシップは、単なる取引関係を超えて、共同研究開発を通じて互いの強みを活かし合う関係に発展しました。現在は1,000社近い日本企業がApple製品の部品供給に関わっています。

クックCEOは40周年の際に「日本のものづくりの匠の技とデザインの持つ付加価値を大切にしている」とコメントしていました。Appleにとって日本は、単なる市場ではなく、特別な存在として位置づけられています。

■「言われたことだけをやらない」横浜の研究拠点

2017年に開設されたYTCは、約6,000平方メートルのラボスペースを持つ最先端の研究開発施設です。数百名程度の従業員(主に日本人開発者)が常駐し、カメラレンズの技術を中心とした光学技術の研究開発を行っています。

YTCの最大の特徴は、「言われたことだけをやるのではなく、自発的に開発している」点にあります。通常はアメリカチームからの開発依頼を受けて業務を行いますが、YTCのエンジニアが「面白そうな技術がある」と判断した場合、現地で技術開発を行い、成功すればアメリカのチームに提案して製品への組み込みを目指します。

また、日本国内で完結する「開発ループ」も大きな強みです。YTCのエンジニアのほとんどが日本語を話せるため、日本のサプライヤーのエンジニアと密なコミュニケーションを取ることができます。サンプルを受け取り、現地で試作を行い、問題点をフィードバックするという流れを日本国内で完結させることで、非常に早い開発が可能になっているのです。

YTCは日本の技術をアメリカ本社に伝える重要な橋渡し役も担っています。日本の技術を直接アメリカ本社にアピールするのは難しい場合があるため、YTCが日本のエンジニアとの対話を通じて小さな技術を拾い上げ、世界に広げるための拠点として機能しています。

■社長が勢揃いした4社のプレゼンテーション

今回のクックCEO訪問に合わせて横浜テクノロジーセンターに集まったのは、ソニーグループ、京セラ、AGC、TDKの4社です。これら4社は全て社長を含むトップ経営陣が参加し、それぞれがiPhone 17シリーズおよびiPhone Airのカメラシステムで担う重要な役割について技術プレゼンテーションを実施しました。

iPhone 17シリーズのカメラシステムにおける各社の役割は次のようになっています。

  • ソニーセミコンダクタソリューションズ:iPhone 17 Proの3つの外側カメラと1つの内側カメラのイメージセンサーを製造
  • 京セラ:そのセンサーを載せる多層化されたセラミック基板を生産
  • AGC:美しい映像を取得するのに不可欠なiRCF(赤外線カットフィルター)を製造
  • TDK:レンズをズームする際にそのズーム位置を瞬時に計測するTMRセンサーを製作

これらの技術は他社では代替不可能な独占供給部品となっており、YTCで開発された技術は、iPhoneをはじめ、iPad、AirPods、Apple Watchなど、様々なApple製品に組み込まれています。

■「決して満足しない」者同士の化学反応

クックCEOが日本企業との協業について語った言葉は印象的でした。「日本企業の精密さ、職人技、品質、そして配慮を深く敬服している」と述べた上で、「1+1が3になる」という協業の力を強調しています。

最も興味深いのは、AppleとJapanの共通点についての言及です。「Appleは決して満足しない。実は日本も決して満足せず、常に次に向かって取り組んでいる。この特性は、協業する2つの組織にとって素晴らしい特徴だ」と語りました。この「求道者同士」の関係が、世界最高峰のカメラシステムを生み出しているといえるでしょう。

今回のクックCEOの訪問と発言は、iPhoneのカメラがなぜ世界最高峰と評価されるのかを明確に示しています。それは単にAppleの技術力だけでなく、日本の精密技術との「共創型ものづくり」によって実現されているのです。デザインを愛する文化、決して現状に満足しない姿勢、そして精密な製造技術という3つの要素が重なる国として、日本はAppleのイノベーションにとって欠かせない存在となっています。

テック系ブログメディア『ゴリミー』管理人

テック系ブログメディア「ゴリミー」を運営管理人。妻、2人の娘、犬(♀)に囲まれて暮らす。日々の小さな発見が誰かのちょっとしたプラスになると信じて日々発信しています。ガジェット情報から子育ての気づきなど、生活に根付いたアイディアを発掘しています。

*******
****************************************************************************
*******
****************************************************************************

関連記事: