中秋の名月とは、そもそも何? 2025年は10月6日、実は満月じゃない…全国の天気予報は

2025年は10月6日が「中秋の名月」の日で、日付の上では満月の1日前ですが、見た目はほぼ満月です。澄んだ夜空に浮かぶ真ん丸い名月を眺めてみましょう。しかし、そもそも「中秋の名月」とは…。全国の天気予報も含め、まとめました。

写真を拡大 2017年に福井県内から見えた「中秋の名月」

今年の名月は満月の1日前

中秋の名月というと満月を思い浮かべますが、2025年の場合、中秋の名月の日は10月6日で、満月の日である10月7日の前日です。このように、中秋の名月は満月とは限りませんし、むしろ満月でないことの方が多いです。中秋の名月と満月が同じ日付になるのは2030年で5年も先のことです。

そもそも「中秋の名月」とは

そもそも「中秋の名月」とはなんでしょう。明治5年まで日本で使われていた暦「太陰太陽暦」では、秋は7月~9月で、その真ん中である8月15日の夜に見える月をいいます。太陰太陽暦の8月15日は、現代の新しい暦では9月~10月にあたります。

昔から、秋こそが月を見るのに良い季節とされていました。その理由は、満月の高さと天気です。

夏の太陽は高く、冬は低いことはご存じでしょう。満月は地球から見て太陽の反対側にありますから、夏の満月は低く、冬は高くなります。つまり春か秋の満月が、ちょうど見上げるのに適した高さです。

春と秋とを比べると、「春がすみ」「秋晴れ」という言葉があるように、天気の良さでは断然秋。そこで、秋が月見のシーズンとなったとされています。

その秋(7月~9月)の中で、ちょうど真ん中の日が「中秋」、8月15日です。そのため、8月15日の月を「中秋の名月」と呼んで愛でることにしたのです。ちなみに似た言葉の「仲秋」は「8月」を指します(7月は孟秋(初秋)、9月は季秋(晩秋))。

写真を拡大 2025~2026年の季節ごとの満月の南中高度。月は大きめに描画。(アストロアーツ社「ステラナビゲータ画像)

「中秋」8月15日の決め方

「秋が7月~9月」「中秋の名月は8月15日」というのは現在の暦ではなく、天保暦(いわゆる「旧暦」)による日付です。現在、正式に旧暦を発表する機関はありませんが、かつての法則と同様に太陽と月の動きを元にして旧暦を計算することは可能です。具体的には「秋分日(太陽が秋分点を通過する日)以前の、一番近い朔(新月)の日を1日目(旧暦八月一日)として、15日目を中秋とする」と決められます。

このようにして旧暦を決めると、現在の暦からおよそ1か月遅れになるので、中秋の名月は9月になることが多いのです。今年は9月22日(新月の瞬間は4時54分)が太陰太陽暦の8月1日、10月6日が太陰太陽暦での8月15日となります。

十五夜と満月は、ずれやすい

さて、「十五夜」というのは「新月の日を1日目としたときの15日目の夜」ということですが、この日に満月になるとは限りません。

ある日付が「満月の日」というのは、その日のうちに月が「望」、つまり「地球から見てちょうど太陽の反対方向を通る瞬間を迎える」ことを意味します。「新月の日」も「月がちょうど太陽と同じ方向を通る瞬間(朔)」を含む日です。

新月から新月まで(月の朔望周期)は約29.5日なので、新月から満月までは平均すると約14.8日ということになります。たとえば「1日の23時に朔」だとすると、十五夜は(14日後の)15日となりますが、望は平均的には14.8日後の「16日18時ごろ」なので満月の日は16日になり、1日ずれるわけです。

写真を拡大 2025年10月6日の「中秋の名月」。東京で真南の空に上るころ(6日22時57分ごろ)の見え方(アストロアーツ社「ステラナビゲーター」画像)

さらに、月の軌道が楕円であることなど様々な理由で、朔から望までの期間が14.8日からずれることもあります。こうした複合的な理由から、十五夜と満月の日は一致しないことが多くなるのです。

とはいえ「秋の真ん中」は8月15日なので、たとえ満月とずれていても十五夜こそが中秋の名月。もちろん他の日の月も美しいのですが、とくにこの日には名月を眺めたいものですね。

2020年~2030年の中秋の名月の日と満月の日(望の時刻)

年 中秋の名月 満月の日(望の時刻) 2020年 10月1日 10月02日 06:05 2021年 9月21日 09月21日 08:55 2022年 9月10日 09月10日 18:59 2023年 9月29日 09月29日 18:58 2024年 9月17日 09月18日 11:34 2025年 10月6日 10月07日 12:48 2026年 9月25日 09月27日 01:49 2027年 9月15日 09月16日 08:03 2028年 10月3日 10月04日 01:25 2029年 9月22日 09月23日 01:29 2030年 9月12日 09月12日 06:18

2028年のように日付が変わって1時間程度で望を迎えるような場合、名月と満月は「一晩という区切りで考えれば」一致している(同じ日付ではないが、同じ夜ではある)ことになります。そもそも文化的な観点では、日付の不一致に大きな意味はないので、大らかに楽しみましょう。(アストロアーツ社提供)

10月6日の全国各地の天気予報

写真を拡大 10月6日の全国の天気予報(6日午前5時、気象庁発表)画像は同庁HP引用

 中秋の名月(10月6日)の天気予報(気象庁、6日午前5時発表)を見ると、本州は広い範囲で雲が多い天気になりそう。東京、愛知県名古屋市や大阪市は曇り時々晴れの予報で名月を愛でるチャンスがありそうだ。また四国、九州でも晴れ間が見られる見込み。北陸地方、中国地方の日本海側は雨が降るところがある。

札幌:曇り時々晴れ 青森:晴れ 秋田:曇り時々晴れ 仙台:曇り 新潟:曇り一時雨 金沢:曇り一時雨 福井:曇り一時雨 東京:曇り時々晴れ 長野:曇りのち時々晴れ 名古屋:曇り時々晴れ 大阪:曇り時々晴れ 松江:曇り 広島:晴れのち時々曇り 高知:晴れ時々曇り 福岡:曇り時々晴れ 鹿児島:晴れのち曇り

那覇:晴れ時々曇り


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