スマホの充電「80%」設定はバッテリー寿命を延ばす?バッテリーヘルスを高める他の方法は?(スマホライフPLUS)
スマートフォンは進化を続けていますが、多くのユーザーが共通して悩んでいるのが「バッテリーの劣化」です。このバッテリー劣化という課題に対し、メーカーはさまざまな対策を講じています。たとえばAppleはiOSのアップデートを通じて対策を行っており、特に2023年に発売されたiPhone 15シリーズは「バッテリー充電の上限を80%に固定する」機能が搭載されました。 【画像でわかる】発火の心配なし!? エレコムの“安全系”モバイルバッテリー2機種を実際に充電テストしてみた なお、バッテリー寿命を延ばすための設定方法には「充電の上限を80%に固定する」以外のものも存在します。またそもそもバッテリーヘルスを高めることと引き換えに、既に生活のインフラと化しているスマホの充電の上限が「80%」になるのは、あまりに不便だと考える方は多いでしょう。バッテリーヘルスを高めるほかの方法はないのでしょうか?
「リチウムイオン電池」は、そのエネルギー密度の高さと軽量さから、現代のモバイル機器に不可欠な存在です。しかし、その性能は永久ではありません。劣化の要因には主に「充放電サイクル」が挙げられます。 バッテリーにとって最も負荷が高いのは「100%の満充電状態」と「0%の完全放電状態」です。特に、100%の状態で充電ケーブルに接続し続けることは、バッテリーの化学的な老化を早める大きな要因となります。リチウムイオン電池が最も安定し、負荷が少ないのは、充電量が20%から80%の範囲にあるときだと一般的に言われています。 そのためバッテリーの充電「80%」はバッテリー寿命を延ばす設定として、広く知られるようにもなったのです。
「バッテリー充電の最適化」は、iPhoneが常にフル充電の状態で放置されるのを避け、バッテリーの劣化を抑えて長持ちさせるための機能です。充電上限を100%に設定しているときに利用できます。 この機能を有効にすると、条件によってはまず80%まで充電し、その後の充電をゆるやかに進めます。iPhoneは本体内の機械学習によって日常の充電習慣を学習し、「長時間充電器につながっていそうだ」と判断したときだけ機能が働きます。最終的に、ケーブルを外す頃には100%になっているよう調整される仕組みです。 このようにAppleの「バッテリー充電の最適化」においても80%充電は一つの目安として採用されています。80%上限のバッテリーヘルスを高める効果は、メーカー側にも一定程度認知されているとは言えるでしょう。 とはいえ実際のスマートフォンの利用シーンや契約の在り方との兼ね合いを考えると、全ての人に「80%」がおすすめと言えるかは微妙なところです。 ■「2年で返却する」場合にも「80%」の設定をすべき?