豪メルボルン市、子供1200人に感染症検査を促す 保育施設職員がレイプ罪で訴追で
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オーストラリア・ヴィクトリア州メルボルンでこのほど、保育施設職員が児童に対するレイプなど複数の罪で訴追された。これを受け、市当局は子供約1200人に感染症検査を受けるよう呼びかけている。
警察によると、ジョシュア・デイル・ブラウン被告(26)は5月に逮捕され、17件の罪で訴追された。2022年4月から2023年にかけて、生後5カ月の乳児を含む8人の子供に暴行を加えたとされる。
ブラウン被告は2017年以降、合わせて20カ所の保育施設で勤務していた。地元保健当局は、同被告のケアを受けていた可能性のある子供の保護者に通知し、「万一の場合のため」に子供に検査を受けさせるよう推奨している。
同被告は罪状認否はまだしていない。拘束が続いており、9月にメルボルンの治安判事裁判所に出廷する予定。
警察によると、被害を受けたとされる子供8人はいずれも5歳未満で、メルボルンの南西に位置するポイント・クックにある「クリエイティブ・ガーデンズ・アーリー・ラーニング・センター」に通っていた。
ブラウン被告は子供に対するレイプや、性的暴行、子供の虐待を記録・送信した罪で訴追された。
捜査官は、エッセンドンにある保育施設でブラウン被告が行ったとされる犯行について、「優先的に」捜査しているという。
当局は記者会見で、ブラウン被告は子供と関わる仕事をするための有効な資格を有しており、逮捕当時、臨時保育職員として雇われていたと説明した。
同被告は、当局に注意を喚起させる人物ではなかったという。
当局は、同被告が単独で、ヴィクトリア州内だけで犯行に及んだとみている。
ヴィクトリア州警察のジャネット・スティーヴンソン氏は、被告の身元を公表するのは「異例の判断」だが、今回は「特別なケース」だと述べた。
「保育施設に通う子供を持つすべての家庭が、彼が誰で、どこで働いていたかを知ることが非常に重要だ」
ヴィクトリア州の健康管理最高責任者クリスチャン・マグラス氏は、ブラウン被告が性感染症に感染していたのかについては明言を避けた。だが、犯行の手口とされることからは、一部の子供に感染症検査が必要になる可能性が考えられるとした。
約2600世帯が連絡を受け、そのうち1200人の子供が検査を勧められた。検査対象となる感染症は抗生物質で治療可能なものだという。
ヴィクトリア州のジャシンタ・アラン首相は、ブラウン被告の容疑を知り「吐き気がするほど気分が悪い」と述べた。
「すべての親にとっての最悪の悪夢を経験している家族のことを思うと、心が痛む」
そして、ヴィクトリア州で暮らす各家庭が「怒りと恐怖を感じる」だろうとし、影響を受けた人々に向けて専用のウェブサイトを開設したと付け加えた。