ベッセント米財務長官、米中貿易協定に投資盛り込む案に否定的
- 重要産業の国内回帰、「中国と切り離す必要ある」-ベッセント氏
- フェンタニル製造向け化学物質流入を長期間抑えるための措置確認へ
ベッセント米財務長官は12日、中国による対米投資が貿易協定に盛り込まれる可能性を否定した。両国間の通商摩擦解決に向けた選択肢を狭める発言だ。
FOXビジネスとのインタビューでベッセント氏は、日本や韓国、欧州連合(EU)が貿易協定の一環として多額の拠出を約束したように、中国も同様の約束をする可能性があるかと問われ、「それはないと思う」と指摘。中国からの資金の多くは「国内回帰が必要な重要産業に向かうことになるが、その多くは中国と切り離す必要があるからだ」と述べた。
半導体やレアアース(希土類)磁石、医薬品、鉄鋼といった分野についても「そういうことは起きないだろうというのが私の印象だ」と語った。
ベッセント氏の発言は、ハイテクや人工知能(AI)をはじめとする幅広い分野で米国と中国が競合関係にあることを示すものだ。トランプ米大統領は、中国製品に対する高関税の発動猶予をさらに90日間延長し、11月10日までとした。この措置は、米中が合意を模索する間、両国間の通商関係に安定をもたらすものだ。
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ベッセント氏はインタビューで、今後「2、3カ月以内」に再び中国側と会談する見通しを明らかにした。
さらに、米政府は合成麻薬フェンタニル製造に使われる化学物質について流入を長期間抑えるための中国の措置を確認するまでは、この問題を理由に課した関税を引き下げる考えはないことを示唆した。
「そうした関税が引き下げられる前には、数四半期や1年とはいわないまでも数カ月間にわたって状況を確認する必要があるだろう」とベッセント氏は語った。
原題:Bessent Dismisses China Investing in US as Part of a Trade Deal(抜粋)