神秘的なシンボルが記された千年前の剣を発見、保存状態も良好 オランダ
剣は良好な保存状態で発見された/Ruben de Heer/Rijksmuseum van Oudheden
(CNN) オランダ中部の川で行われた浚渫(しゅんせつ)作業中に偶然見つかった中世の剣が博物館で展示されている。
この剣は昨年3月1日にリンスホーテンの地所の定期点検中に発見され、ライデンの国立古代博物館に寄贈された。博物館が24日、声明で明らかにした。
博物館によれば、この剣は1050年から1150年ごろに作られたもので、長さは1メートル。十字架と「終わりなき結び目」として知られる神秘的なシンボルを形成する金色の銅が象嵌(ぞうがん)されている。
剣には神秘的なシンボルが施されている/Ruben de Heer/Rijksmuseum van Oudheden
剣は長いつばとナット型の柄頭が特徴で、フェルウェで採掘された高品質の鉄で作られている。
博物館は声明で、「この剣は1000年を経ても驚くほど良好な状態で保存されている。木製の柄や革製の巻き帯といった有機的な部品だけが時の流れに屈した」と述べた。
「湿った土壌の酸素の少ない環境のため、鉄はほとんど腐食していない。保存された剣には木製の柄の痕跡が今も目視できる」
長さ1メートルの剣は片手で扱えたとみられている/Ruben de Heer/Rijksmuseum van Oudheden
剣は故意に川に捨てられたようで、近くでさやの痕跡は見つからなかった。
「中世の剣は非常に個人的な所有物であり、所有者と一緒に埋葬されるか、あるいは儀式的に水に沈められた」「後者の場合、保存状態が非常に良いことが多い」
この剣が鋳造された当時、この地域は近隣の都市であるユトレヒトの司教によって統治されていたが、次第に力をつけてきたホラント伯やフランドル伯と頻繁に衝突していたと考えられている。
「この時代は軍事的な戦略と兵器にも変化が見られた。馬上からの垂直な斬撃から、鎧(よろい)の間を水平に突き刺す攻撃へと変化した」「片手で扱えるこの剣は両方の技法に適した、その過渡期を体現している」