“日本発”ながらFeliCa非搭載、「OPPO Reno14 5G」から見える国内スマホ競争の激化
なぜミドルハイクラスの競争が激化したのかといえば、米アップルの「iPhone 16e」の存在が大きいと考えられます。iPhone 16eは日本において、かろうじて10万円を切る価格で販売されており、6万円台で販売されていた「iPhone SE」シリーズからの大幅な値上がりに多くの不満の声が挙がっていました。 ですが、携帯各社からしてみると、貴重な低価格iPhoneであることも確か。それだけに、各社がこぞってiPhone 16eの販売を強化したことで、意外と販売は伸びているようです。 それに加えて、米グーグルの「Pixel 9a」も、国内ではおよそ8万円に値上がりして発売されたことから、10万円前後である程度高い性能を持つ、ミドルハイクラスの領域での競争が高まったといえます。従来、この領域に力を入れるメーカーは多くなかっただけに、一層iPhone 16eなどの動きに触発され強化の動きが進んだのではないでしょうか。 そして、もう1つの携帯電話会社に関する動きですが、実はスマートフォンの価格高騰と政府による値引き規制によって販売数が減少したことを受け、ここ数年来携帯各社がスマートフォンの調達数を絞り込む動きが強まっているのです。 この状況が不利に働いているのが、オッポのように国内では後発でブランド力が弱いメーカーです。実際、オッポと同様に日本では後発となる中国のシャオミも、2025年に発表したスマートフォン新機種がいずれも携帯大手に採用されておらず、高額なフラッグシップの「Xiaomi 15 Ultra」だけでなく、ミドルクラスの「Redmi Note 14 Pro 5G」までもが携帯大手から販売されなかったことには驚きがありました。
携帯大手が販売するスマートフォンを絞り込むなか、メーカーが同じ価格帯の新製品を一挙に投入することで競争が激化し、後発のメーカーが支持を得づらくなっています。そうした現状が、オッポのようなメーカーには不利に働き、携帯大手からの採用に至らない機種が増えているのではないでしょうか。 無論、オッポはOPPO Reno13 Aが3社に採用されていることから、携帯大手との関係が失われたわけではありません。ですが、現在の状況が続けば、実店舗を構えたシャオミのように、自社販路に重きを置くことも考えられます。厳しい市場環境を受けた次の一手が大きく問われるところではないでしょうか。
佐野正弘