ソフトバンクG、不振のインテルに20億ドル出資 米半導体を支援
SBGは、インテルが新たに発行する株式を1株23ドルで引き受ける。取得価格は18日の終値とほぼ同水準。出資比率は約2%となる見通しで、LSEGのデータによると、インテルの第6位株主となる。
インテルにはトランプ米政権が出資する計画が報じられているが、事情に詳しい関係者によると、SBGによる今回の投資決定はこれとは無関係。同関係者によると、SBGはインテルに役員の受け入れを求めておらず、株式の取得にとどまり、半導体の購入を約束しているわけでもない。別の関係者によると、日本政府が関税交渉で米国と合意した対米投融資5500億ドルの一部ではないという。
ロイターはSBGに投資の詳細を問い合わせたが、同社はコメントを控えた。
SBGとインテルは今回の決定を共同で発表。SBGの孫正義会長は、半導体があらゆる産業の基盤とした上で、「インテルが重要な役割を果たす先進的な半導体製造と供給が米国内でより発展していくことを期待して行う」戦略的投資だとコメントした。インテルのリップブー・タン最高経営責任者(CEO)も「数十年にわたり孫氏と協働してきた。今回の投資によるインテルへの信頼に感謝する」と歓迎した。
19日の東京株式市場でSBG株は一時5%超下げた。同社の株式は好調な決算やハイテク株高を受けて、連日で株式分割を考慮した実質的な上場来高値を更新していた。
ロイターはホワイトハウスにコメントを求めたが、現時点で回答を得られていない。
SBGは人工知能(AI)革命を見据え、クラウドや次世代インフラを支える先端技術へのアクセス確保に力を入れている。今年1月に米AIインフラの合弁事業「スターゲート」を公表したのに続き、3月にはAI向け半導体を設計する米アンペア・コンピューティングの65億ドルでの買収、4月には対話型AI「チャットGPT」を手掛ける米オープンAIへの最大300億ドルの追加出資を相次ぎ発表した。今回の出資は、その長期戦略の一環と位置付けられる。
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