巨人・森田駿哉、6失点で先発初黒星「しっかりと狙われていた」ヤクルト・村上に特大アーチ浴びる
◆JERA セ・リーグ ヤクルト7―2巨人(20日・神宮)
神宮の夜空に打ち上げられた一発を、森田駿哉投手(28)はしばらく見つめ、動けなかった。1―1の4回1死からオスナに四球を与え、続く山田に3球目のフォークを捉えられた。左翼席へ飛び込む勝ち越しの2ランとなり、うなだれた。
5回1死から3連打を浴びるなど追加点を許し、1死一、三塁で降板。4回1/3を投げ8安打6失点で2敗目を喫し「長打を警戒していた中で先制ホームランと2ランを打たれている。なんとかゴロを打たせたい、というところで、できなかったのがこういう結果になった」と唇をかんだ。
神宮で新たな思い出を刻みたかった。法大時代は、けがに苦しみ、このマウンドに長く立てない日々だった。「大学4年間ここで活躍したいと思ってずっとプレーしてきた。あんまり投げられなかったけど、こうして投げる機会をもらえたので、いい投球ができるように」と思いを込めてマウンドへ向かった。
試合前まで先発2試合を含む4戦15イニングで防御率0・00だったが、2回に先頭で村上に先制ソロを被弾。その後も踏ん張り切れず、プロ初先発初勝利を挙げた6日以来の対戦となったヤクルト打線に速球系を狙われた。「前回、外中心でいっていた中で外をしっかりと狙われていた。自分もそれを上回るような投球をしないといけない」と言葉を紡いだ。
それでも5回の攻撃でアビラから右前安打を放って今季6打席目でのプロ初安打をマーク。「まだまだ技術的にも足りないと思うので、良くなるように練習していきたいです」。悔しさの残る投球にも前を向き、糧とする。(水上 智恵)
◆森田得意左打者に5の4…「記録室」
森田(巨)は4回1/3を投げ、6失点で負け投手となった。
この日の前まで、森田は4登板で2勝1敗、1失点(自責0)、防御率0・00で、被打率は45打数4安打の・089と抜群の数字だったのに、この日は、過去4登板で打たれた2倍の8安打を許し、この試合だけで21打数8安打の・381と大きく崩れ、別人のような投球だった。
特に左打者には、この対戦の前まで打者18人に対し14打数1安打の・071(2犠打、1犠飛、1死球)だったのに、この日は村上に初本塁打を浴びたのをはじめ2安打1打点、岩田には2の2と、左腕が優位と言われる対左打者に5打数4安打と踏ん張れなかった。
デビュー戦で安打を許さなかったものの、味方の失策などで球団初の初登板でサヨナラ敗戦投手の不運にあったが、この日はノックアウトの黒星になってしまった。(福山 智紀)