台湾鴻海、第2四半期は27%増益 AIサーバー好調で予想上回る

 8月14日、台湾の電子製品受託生産大手、鴻海精密工業が発表した第2・四半期決算は、純利益が27%増の444億台湾ドル(14億8000万ドル)と、市場予想を上回った。写真は同社のロゴ。2023年5月撮影(2025年 ロイター/Dado Ruvic)

[台北 14日 ロイター] - 台湾の電子製品受託生産大手、鴻海精密工業(2317.TW), opens new tabが14日発表した第2・四半期決算は、純利益が27%増の444億台湾ドル(14億8000万ドル)と、市場予想を上回った。人工知能(AI)サーバーの旺盛な需要が追い風となった。

LSEGがまとめたコンセンサス予想は388億台湾ドルだった。

第3・四半期は前年同期比で大幅な増収となり、AIサーバーの売上高は前年比170%以上増加するとの見通しを示した。

通期売上高については、5月に示した予想に沿って前年比で大幅増になると見込んだ。同社は業績予想の詳細を明らかにしていない。

第2・四半期はAIサーバーを含むクラウドおよびネットワーク製品部門の売上高がiPhoneを含むスマート・コンシューマー・エレクトロニクス部門の売上高を初めて上回った。

第3・四半期はサーバー部門の寄与がさらに拡大する見通しだ。一方、スマート・コンシューマー・エレクトロニクス部門の売上高はわずかに減少する見込みで、一部の専門家は米関税の導入を見込んで第2・四半期に急増したiPhone販売が反動で鈍化するとみている。

キャシー・ヤン輪番最高経営責任者(CEO)はアナリストらとの電話会見で「今年はこれまでAIが成長の主な原動力だ」と説明した。その一方で「関税や為替の変動の影響には細心の注意が必要だ」とも述べた。

同社は今月、米中西部オハイオ州ローズタウンの旧自動車工場を、機械設備を含めて3億7500万ドルで売却することで合意したと発表したが、同工場を引き続き活用してクラウド関連製品を生産することを14日に明らかにした。 もっと見る

関係筋がロイターに語ったところによると、この工場は提携先のソフトバンクに売却されたという。鴻海とソフトバンクはコメントを控えた。

ヤン氏は「米市場でAI計算能力への需要が急拡大していることに対応し、オハイオ工場をクラウドネットワーク製品の製造にも生かす」と述べたが、詳細は明らかにしなかった。

鴻海は米市場向けに電気自動車(EV)「モデルC」を製造するという目標を維持するが、初期の生産は台湾で行うとした。

同社は14日、テキサス州とウィスコンシン州の製造拠点でサーバー生産能力を増強する計画だとし、今年の設備投資が20%超増加するとの見通しを示した。

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