金投資、第1四半期は前年比+170% 貿易混乱で3年ぶり高水準=WGC

 4月30日、産金業界団体ワールド・ゴールド・カウンシル(WGC)は、店頭取引を含む第1・四半期の世界の金需要が前年同期比1%増の1206トンとなったことを明らかにした。写真は、さまざまなサイズの金塊。 4月22日、ロンドンで撮影(2025年 ロイター/Chris J. Ratcliffe)

[ロンドン 30日 ロイター] - 産金業界団体ワールド・ゴールド・カウンシル(WGC)は30日、店頭取引を含む第1・四半期の世界の金需要が前年同期比1%増の1206トンとなったことを明らかにした。

金投資が前年比170%急増し、ロシアがウクライナに侵攻した2022年第1・四半期以来の高水準となった。

金のスポット価格は今年26%上昇。最高値を繰り返し更新している。

WGCのシニア・マーケット・アナリスト、ルイーズ・ストリート氏は「グローバル市場にとって波乱の年明けとなった。貿易の混乱、予測不能な米国の政策発表、地政学的緊張の持続、景気後退懸念の再燃で、投資家を取り巻く環境が極めて不確実になっている」と述べた。

  投資では、現物の裏付けがある金ETF(上場投資信託)に大量の資金が流入したほか、金の延べ棒の需要が14%増加した。金貨の需要は32%減少。

中国では金の延べ棒と金貨への投資が12%増の124.2トンと、過去最高だった13年第2・四半期以来の高水準を記録した。

金価格の高騰を受け、金宝飾品の消費は21%減の380.3トン。20年の新型コロナウイルス流行以降で最低となった。

中央銀行の金購入量(報告ベースと推定ベースを含む)は前年比21%減の243.7トン。購入量は減少したものの「依然として高水準で、大規模な購入が続いた過去3年間の四半期平均に沿った水準」だった。

通年では、貿易関連の高いリスクを背景に、金への投資がさらに加速し、中央銀行の金購入量も過去3年間のレンジに近い水準になる見通しという。

Gold supply and demand by WGC*:

*Source: Metals Focus, ICE Benchmark Administration, World Gold Council.

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Reuters correspondent in London with focus on the LME base metals, gold, silver and platinum group metals. Reporting on trade and everything related to the supply & demand balance. Previously, 15 years of reporting for Reuters from Moscow with focus on metals & mining, agriculture and fertilisers

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