「爪痕を残したい」 香妻陣一朗らLIV勢14人が全米オープンへ

◇メジャー第3戦◇全米オープン 事前(11日)◇オークモントCC(ペンシルベニア州)◇7372yd(パー70)

香妻陣一朗がLIVゴルフのメンバーとなってからは初めてのメジャーに臨む。2024年から「アイアンヘッズGC」の一員としてプレーして2シーズン目。マサチューセッツ州ザ・カントリークラブが舞台だった2022年大会の直前も立ち上がったばかりのLIVを戦って全米オープンに臨んでいたが、当時はスポット参戦の立場。3年ぶり2度目の挑戦は、新天地で培ってきたものをぶつける格好の機会となる。

「前回は全く何もできずに終わった感じがあった。経験を積めてきているし、(前回より)やれるんじゃないかという気持ちもある。いいゴルフをして、一日(でも)いいスコアを出すとか、なにか爪痕を残したいですね」と力を込める。米国での最終予選会を突破した3年前は通算13オーバー144位で予選落ち。今回は日本の最終予選会で切符を得た形だが、日常的にメジャーチャンピオンたちと同じフィールドでしのぎを削ってきた。

前年覇者のブライソン・デシャンボー、元世界ランキング1位のジョン・ラーム(スペイン)、メジャー通算5勝のブルックス・ケプカ、前回のオークモントCC開催だった2016年大会を制したダスティン・ジョンソン…。156人のフィールドには14人のLIV所属選手が名を連ねる。「“顔見知り”が何人かいるっていうのは心強いです。ブライソンとかジョンは、(メジャーでも)必ず上位にいっているイメージ。その辺とやれているっていうのは、自信にもなっていますね」

とはいえ、「最も過酷なテスト」といわれる全米オープン。その中でも最多10回目の開催となるオークモントは難関コースの代表格として名高い。5インチ強(約127㎜)の深さで密集したラフに象徴されるハードセッティングは、LIVではなかなか経験できないもの。前週「バージニア」を今大会の予行演習として位置付ける選手もいたが、同大会23位だった香妻は「グリーンのスピードは似たようなところがあるかもしれないですけど、でも全くの別物です」と冷静に話す。

PGAツアーのトップ選手とも肩を並べ、タフなコースに立ち向かう一週間。「LIVに行って成長したなって感覚はある。それがメジャーでどこまでできるか試したい」。刺激たっぷりの主戦場ともひと味違うチャレンジに声のトーンを上げた。(ペンシルベニア州オークモント/亀山泰宏)

<LIVゴルフ所属の全米オープン出場選手と資格> ・過去10年の「全米オープン」優勝者

ブライソン・デシャンボージョン・ラームブルックス・ケプカダスティン・ジョンソン

・2024年「全米シニアオープン」優勝者

リチャード・ブランド

・2024年「全米アマチュア選手権」優勝者

ホセ・ルイス・ボーレスターバリオ

・過去5年の「全米プロ」優勝者

フィル・ミケルソン

・過去5年の「全英オープン」優勝者

キャメロン・スミス

・2025年5月19日時点の世界ランキング上位60位

ティレル・ハットンパトリック・リード

・2025年5月19日時点のLIVゴルフ個人戦ポイントレース上位3人(有資格者を除く)

ホアキン・ニーマン

・最終予選会

香妻陣一朗(日本)、カルロス・オルティス(ダラス)、マーク・レイシュマン(メリーランド)

※複数資格者は上位資格のみ表記

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