トランプ氏のガザ平和評議会が「完全武装解除」で合意と発表 ハマスも近く声明発表と
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ドナルド・トランプ米大統領は30日、自分の主導でパレスチナ・ガザ地区での和平計画を遂行する「平和評議会」が、ガザのハマスおよびその他の武装組織の「完全武装解除」に関する合意に達したと述べた。
ハマスの幹部はBBCに対し、ガザ地区の完全武装解除に関する平和評議会の計画に同意し、近いうちに公式声明を発表すると明らかにした。
一方、トランプ氏の発表以来、イスラエル当局からは発表などがなく、この合意に対するイスラエルの立場や、イスラエルが交渉に関与していたかなどは明らかになっていない。
トランプ氏は、イスラエルは「武装解除が完了次第」ガザ地区から撤退すると述べ、今回の合意を「ガザ地区が最終的に新たなパレスチナ政府によって統治されるための重要な一歩」だと評した。
トランプ氏は自身のソーシャルメディア「トゥルース・ソーシャル」への投稿で、「これはトランプ20項目計画の実施における重要な節目だ。合意は慎重に構成された段階を踏んで実行される。武装解除が完了すれば、イスラエル軍は撤退し、国際安定化部隊が新たなパレスチナ警察と協力して、ガザ地区の住民と近隣住民の安全を確保する責任を負うことになる」と述べた。
トランプ氏はまた、仲介役を務めたエジプト、カタール、トルコにも感謝した。
平和評議会はソーシャルメディアに掲載した声明で、この合意は、「ガザにおける新統治体制の確立、治安の確保、人道支援、復興、および経済回復に向けたドナルド・J・トランプ大統領のビジョンを推進するための、数カ月にわたる集中的かつ誠意ある交渉」の成果だと説明。合意が「ガザの人々に多大な恩恵をもたらす可能性を秘めている」と述べた。
また、「このロードマップは歴史的な突破口だ。ハマスが初めて、すべての武器を放棄するための実行可能な計画に公式にコミットし、それに続いてイスラエルがガザから撤退することになる」とした。
BBCが入手したロードマップには、ハマスによる段階的な武装解除とイスラエルによる段階的な武装解除が盛り込まれている。米当局者は、このプロセスの各段階が「検証」されると述べている。
また、アメリカや平和評議会の当局者が記者団に行った説明によると、武装解除の最初の段階では、ハマスが運営するガザの警察が、暫定当局に武器を引き渡すことになる。
その後、重火器の「廃棄プロセス」が行われる。これにはトンネルや武器庫の閉鎖、そしてこれらの施設を運用している戦闘員の活動停止が含まれる。これは「極めて技術的なプロセス」となり、回収した武器をどのように安全に保管するかが重要な課題の一つとなる。
最後に、ガザ地区内のすべての個人所有の武器が、パレスチナ法に基づき「処理」される。このプロセスのでは、民兵組織や氏族も武器を廃棄しなくてはならない。
当局者は、各段階について「実施検証委員会」が進捗(しんちょく)を監視するとしている。この第三者委員会は、ハマスとイスラエルが互いを監視することの難しさを踏まえ、状況の進展を独立して検証することになる。
一方で、イスラエルの撤退がどのように行われるのか、撤退に「イエローライン」と呼ばれる緩衝地帯が含まれるのか、ハマスが放棄する武器を最終的に誰が管理することになるのか、「検証」メカニズムが実際どのように機能するのかなど、不透明な部分も残る。
平和評議会の現地代表を務めるニコライ・ムラデノフ元ブルガリア外相は、「本日、ガザにおける武器の廃棄と民政移管について合意した。ここに至るまでには、数か月にわたる極めて困難な交渉が必要だった」と述べた。
「合意の内容も重要だが、今後何が起こるかはさらに重要だ。実施と検証は確実に進められなければならない。撤退は武器の廃棄と歩調を合わせて進められなければならない」
「私たちの目の前には、再建され、パレスチナ人が統治し、イスラエルと平和を保つガザがある。イスラエル・パレスチナ紛争の有意義な解決に向けた政治的な展望がある。それが今、私たちに課せられた課題だ」
エジプトの国営メディア「アル・カヘラ・ニュース」は、カイロで「まもなく」ガザ和平計画の仲介国による会合が開催されると報じた。
関係筋の話として同メディアは、この会合が「関係するすべての当事者が合意の条項を実施するという決意を確認するため」のものだと説明。一方、会合の詳しい日程は明らかにしなかった。
イスラエル国内の反応は
トランプ大統領の発表に対し、イスラエル側から公式な反応はまだない。しかし、政府関係者からはすでに懐疑的あるいは否定的な反応が見られている。
ロイター通信に匿名の情報筋が語ったところによると、仲介者とハマスの指導者がアメリカ仲介のガザ和平案について、カイロで行った協議は異例の進展を見せた。一方イスラエル当局者は、提示された条件は満足できるものではないと述べた。
トランプ氏の発表後、イスラエル紙タイムズ・オブ・イスラエルは匿名筋の話として、ハマスの交渉担当者と平和評議会、および仲介国の代表者との間で合意が署名されたと報じた。
一方で同紙は「イスラエルの事務所」が、武装解除案はイスラエルの要求を満たしていないとする声明を発表したと報じた。
イスラエルのメディアは30日午前、イスラエルがハマスとの間で協議されている合意に反対していると報じた。
記者説明を行ったアメリカ政府関係者は同日、イスラエルが今回の合意を支持する可能性について聞かれ、「我々はイスラエルに対し、当初合意した20項目の計画に同意すること以外は何も求めていない。したがって、イスラエルがそれを順守すると非常に確信している」と答えた。
この政府関係者はまた、もしイスラエルが20項目の計画の一環として撤退しないと決めた場合、トランプ大統領は「大いにがっかりすることになる」と述べた。
さらに当局者は、イスラエルは今後もアメリカの良好なパートナーであり続けると考えていると述べた。
BBCは今年1月、「平和評議会」は当初、イスラエルとイスラム組織ハマスの間で続くガザでの2年に及ぶ戦争を終結させ、復興を監督することを目的としているとみられると報じた。しかし、その憲章草案にはパレスチナ自治区への言及はなく、国連の機能に取って代わることを意図した設計になっているようだ。
和平交渉に詳しいパレスチナ高官は今年4月、トランプ氏が進めるガザ和平計画の上級代表が提示した武装解除計画を、ハマスが拒否したのだと、BBCに話していた。
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ハマスは2023年10月7日、イスラエル南部への襲撃を主導し、約1200人を殺害、251人を人質として連れ去った。
これを受けてイスラエルはガザ地区での軍事作戦を開始した。ハマス運営のガザ保健省によると、これまでに2万1280人を子どもを含む7万3290人以上が殺されている。同省の統計は、国連からも信頼できるものと見なされている。
また、イスラエルとハマスが停戦合意の第2段階を開始する予定だった日から6カ月が経過したが、ほとんど進展は見られない。ガザの保健省によると、昨年10月の停戦発効以来、イスラエルの攻撃により少なくとも1,168人のパレスチナ人が殺害された。
一方で同期間中、ガザでのパレスチナ人による攻撃により、イスラエル兵4人が死亡した。
【解説】 長く厳しい交渉だったとハマス幹部 ガザ地区では疑念
ラシュディ・アブアルーフBBCガザ特派員(カイロ)
交渉に参加したハマス高官はBBCに対し、協議は「長時間に及び、非常に厳しいものだった」と話した。ハマスは、武器をイスラエルに引き渡すのではなく、パレスチナ側の監督下で「武器の目録を作成し保管する」という文言にこだわったという。
この合意が完全に履行されるのか、またすべての当事者が約束を順守するのか、判断するにはまだ早すぎる。しかし、もし合意が維持されれば、ほぼ3年間続いた戦争を終結に向かわせ、さらに幅広い政治プロセスへの道を開くための、最初の確かな一歩になる可能性がある。
何年にもわたる停戦の失敗や合意の崩壊を経て、パレスチナ人の多くは新たな政治的進展について、深い懐疑心を抱いている。交渉の詳細よりも、この合意が実際に戦争を終わらせるのか、避難を余儀なくされた家族が帰宅できるようになるのか、そして持続的な救済をもたらすのかに関心があると、オンラインに書いているガザ住民もいる。
ガザにいる大勢はいまだに、ハマスとイスラエルの双方をあまり信用していない。これまで合意を繰り返しても、それがガザ地区内の実際の状況を意味ある形で改善させる前に、合意は破綻(はたん)してきたからだ。