JR東海、次期新幹線「S0系」を2029年投入 自動運転、新たなグリーン席も

JR東海、次期新幹線「S0系」を2029年投入 自動運転、新たなグリーン席もの画像(CNET Japan)

 JR東海は10月16日、東海道・山陽新幹線の次期車両「S0系」を発表した。N700S以来のフルモデルチェンジで、2029年7月に営業運転を始める予定。運転士が乗務した状態で加減速や停止を自動制御するシステムを搭載するほか、地震時の安全性や座席の快適性も高める。 名称は、新たな進化の基点を表す「0」に、ShinkansenとSupremeの「S」を組み合わせた。N700Sと同様、さまざまな両数の編成を構成しやすい「標準車両」とする。自動運転に対応、地震時のブレーキ開始は10倍速く S0系は、運転士が乗務する「GOA2」レベルの自動運転に対応する。運転士が出発ボタンを押すと、列車は設定された速度に従って自動で加速・減速し、駅の決められた位置に停止する。無人運転ではなく、運転士が乗務する方式だ。正確な運行に加え、効率的な加速や惰行による省エネにもつなげる。 運行ダイヤや速度制限などの情報は、ミリ波列車無線を通じて受信する。急な速度制限が生じた場合も走行計画を自動で更新し、遅れの回復を図る。運行管理システム「コムトラック」の情報を車両に伝える仕組みは、2030年度末から使用する予定だ。 地震発生時の安全性も高める。地震の検知からブレーキを開始するまでの時間を、現行の約2秒から約0.2秒へと10分の1に短縮する。ミリ波列車無線を使い、地震の検知情報を車両へ直接伝えることで実現する。 ブレーキ制御も改良し、時速285kmからの地震時の制動距離をN700Sより約5%短くする。グリーン車を刷新、足元は14cm広く グリーン車では、8・9号車に「多機能アームレスト座席」、10号車に「パーティション座席」を導入する。前者はスマートフォンや飲み物のホルダーを備え、後者は隣席との間に大型の仕切りを設ける。いずれも肘掛けに収納できる大型テーブルを備える。 リクライニング角度の見直しや跳ね上げ式フットレストの採用により、グリーン車の足元スペースをN700Sより約140mm拡大する。普通車でもリクライニング角度を見直す。 車体の揺れを抑える「フルアクティブダンパ」の制御も改良し、列車がすれ違う際の横方向の揺れを約10%低減する。対象はグリーン車の8~10号車と普通車の7号車だ。 9号車のデッキには、身だしなみを整えられるパウダーコーナーを新設する。無料Wi-Fi「S Wi-Fi for Biz」は従来の7・8号車に加えて9・10号車にも拡大。8~10号車には5G対応の透明ガラスアンテナを搭載し、通信の安定性を高める。荷物置場を1.5倍に、トイレも広く 普通車とグリーン車に共通する変更として、デッキの荷物置場を6カ所から9カ所に増やす。客室内の荷棚も拡大し、先頭車は高さと奥行きを広げてスペースを約25%、中間車は奥行きを広げて約5%増やす。 デッキのレイアウトも刷新する。女性専用トイレはスペースを約25%広げ、室内にベビーベッドを新設。男性専用トイレは引き戸に変更し、洗面所の間口も一部の号車を除いて広げる。新しい先頭形状で省エネ、消費電力6%減 先頭部分には、鳥の翼の風切羽をイメージした新形状「ツイン リーメクス形」を採用する。空気抵抗を抑えるとともに、自動運転や機器の効率化によって、編成全体の消費電力量をN700Sより約6%削減する。 廃車となった新幹線のアルミ部材を再利用する範囲も広げる。再生アルミを床や車両の端部にあたる妻面の一部にも使い、車体構体に占める割合を、2026年度以降に追加投入するN700Sの約14%から約20%に高める。車体素材のほぼ全てをリサイクル可能なアルミ部材に統一し、資源の再利用を進める。2029年7月に営業運転、計25編成を投入 2028年8月に確認試験車を1編成投入し、2029年7月に営業運転を開始する。2032年度上期までに計25編成を導入する予定で、それ以降の計画は未定としている。

 グリーン車の新設備は、2027年12月以降に投入するN700Sの新製車両にも先行導入する。既存のN700Sや一部のN700Aにも改造工事を実施し、座席などの一部機能を追加する。N700Sへの自動運転システムや早期地震検知システムの導入も、2029年10月以降に順次進める予定だ。

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