ツール・ド・フランス2025 落車で荒れた第3ステージはメルリールが優勝|サイクルスポーツがお届けするスポーツ自転車総合情報サイト|cyclesports.jp
フランスで開催中の第112回ツール・ド・フランス(UCIワールドツアー)は、7月7日に北部ノール県のヴァランシエンヌから北海沿いの港町ダンケルクまでの178.3kmで、平坦区間の第3ステージを競い、ヨーロッパチャンピオンのティム・メルリール(スーダル・クイックステップ/ベルギー)が集団ゴールスプリントでイタリアのジョナタン・ミラン(リドル・トレック)を僅差で打ち負かし、2021年に続いて2回目の区間優勝を果たした。
ヨーロッパチャンピオンのメルリールが集団ゴールスプリントを制した (photo : ©Tim De Waele / Getty Images / ©Soudal Quick-Step)
区間3位はドイツのフィル・バウハウス(バーレーン ヴィクトリアス)だった。マイヨ・ジョーヌはオランダのマチュー・ファンデルプール(アルペシン・ドゥクーニンク)が守った。
マイヨ・ベールのフィリプセンが落車リタイア
マイヨ・ベールのフィリプセンは中間スプリントで落車し、そのままリタイアした (©SprintCycling)
第1ステージで集団ゴールスプリントを制し、区間通算10勝目を上げたベルギーのヤスペル・フィリプセン(アルペシン・ドゥクーニンク)は、この日の区間優勝候補の1人だった。しかし、彼は残り60.1kmの中間スプリント地点を通過する直前に、バランスを崩したブライアン・コカールに接触されて転倒し、右肩を強打した。フィリプセンはポイント賞総合首位でマイヨ・ベールを着ていたが、そのままレースを棄権した。
敢闘賞が授与されないステージ
第3ステージは182選手が出走。序盤にいくつかのアタックと吸収があった後、集団は21km地点からアルペシン・ドゥクーニンクがコントロールしてダンケルクを目指した。ゴールまで残り60.1kmの中間スプリントはフィリプセンの落車事故で水が差され、ミランが競う事なく先頭で通過した。
平坦区間の第3ステージは、ゴールまで残り30.9kmに1カ所だけカテゴリーの付いた丘があり、そのモン・カセルの丘(カテゴリー4)が近づくと、ベルギーチャンピオンのティム・ウェレンス(UAEチーム・エミレーツ・XRG)が集団から飛び出した。彼は単独で頂上を通過して1ポイントを稼ぎ、山岳賞総合首位に立ってマイヨ・アポワを獲得した。集団とのタイム差は頂上で1分45秒あったが、彼は残り27kmで集団に戻った。
山岳賞のマイヨ・アポワ獲得を目指して集団からアタックしたベルギーチャンピオンのウェレンス。彼は2019年にもマイヨ・アポワを着た事がある (©SprintCycling)
ウェレンスのアタックを除けば、第3ステージは序盤の20km以降に逃げを試みる選手がなく、敢闘賞は授与されない珍しい区間になった。
この日はゴールまでの道路が狭い事もあり、ゴール前の3kmルールは5kmに延長されていた。集団ゴールスプリントに向けての準備が進められる中、ゴールまで残り3kmで集団の中盤で落車事故が発生し、レムコ・エヴェネプール(スーダル・クイックステップ)や、区間優勝候補の1人だったアルノー・ドゥリー(ロット)が巻き込まれてしまった。
そして幾分小さくなった集団がゴールスプリントを競い、最後のコーナーで再び落車が発生する中、メルリールとミランがフィニッシュラインで車体を投げ出し、写真判定でメルリールの勝利が確定した。
■区間優勝したメルリールのコメント 「とても嬉しいよ。ツールで2回目の優勝だし、ボクはツールでたった2回しかスプリントしていないんだ。最後の5kmはスリップストリームの中に留まるのが本当に難しかった。何度か自分の位置取りを探す努力をしなければならなかった。スリップストリームに戻れたのは、最後の500mでだった。それでたくさんのエネルギーを費やしたが、ポジションを取り戻してからは、自分のスプリントに自信があった。
本当に僅差だった。自分が前だと分かっていたが、腕を上げた時にミランが良いジャンプをしたと思ったので、ちょっと心配になったよ。ミランと対決するのはいつも難しい。ボクは区間優勝するためにここに来た。もちろん、マイヨ・ジョーヌも目標だったが、自分の区間優勝ができて満足している」
メルリールの区間優勝は2021年に続いて2回目だった (photo : ©Tim De Waele / Getty Images / ©Soudal Quick-Step)
■第3ステージ結果 [7月7日/ヴァランシエンヌ~ダンケルク/178.3 km] 1. T. MERLIER (SOUDAL QUICK-STEP / BEL) 04h 16′ 55” 2. J. MILAN (LIDL-TREK / ITA) 3. P. BAUHAUS (BAHRAIN VICTORIOUS / GER) 4. S. WAERENSKJOLD (UNO-X MOBILITY / NOR) 5. P. BITTNER (TEAM PICNIC POSTNL / CZE) 6. B. GIRMAY (INTERMARCHÉ – WANTY / ERI) 7. K. GROVES (ALPECIN-DECEUNINCK / AUS) 8. P. ACKERMANN (ISRAEL – PREMIER TECH / GER) 9. A. CAPIOT (ARKEA-B&B HOTELS / BEL)
10. A. DAINESE (TUDOR PRO CYCLING TEAM / ITA)
■第3ステージ後の総合成績(マイヨ・ジョーヌ) 1. M. VAN DER POEL (ALPECIN-DECEUNINCK / NED) 12h 55′ 37” 2. T. POGACAR (UAE TEAM EMIRATES XRG / SLO) + 00′ 04” 3. J. VINGEGAARD (TEAM VISMA | LEASE A BIKE / DEN) + 00′ 06” 4. K. VAUQUELIN (ARKEA-B&B HOTELS / FRA) + 00′ 10” 5. M. JORGENSON (TEAM VISMA | LEASE A BIKE / USA) + 00′ 10” 6. E. MAS (MOVISTAR TEAM / ESP) + 00′ 10” 7. J. BLACKMORE (ISRAEL – PREMIER TECH / GBR) + 00′ 41” 8. T. JOHANNESSEN (UNO-X MOBILITY / NOR) + 00′ 41” 9. B. O’CONNOR (TEAM JAYCO ALULA / AUS) + 00′ 41” 10. E. BUCHMANN (COFIDIS / FRA) + 00′ 49” 21. R. EVENEPOEL (SOUDAL QUICK-STEP / BEL) + 00′ 49”
22. P. ROGLIC (RED BULL – BORA – HANSGROHE / SLO) + 00′ 49”
[各賞] ■ポイント賞:J. MILAN (LIDL-TREK / ITA) ■山岳賞 : T. WELLENS (UAE TEAM EMIRATES XRG / BEL) ■新人賞 :K. VAUQUELIN (ARKEA-B&B HOTELS / FRA) ■チーム成績:GROUPAMA-FDJ (FRA)
■敢闘賞 : ※授与なし
第4ステージは丘越え区間
●第4ステージのコースプロフィール (MAP : A.S.O.)
7月8日はグラン・デパールの北フランスを離れ、ソンム県のアミアン・メトロポールからノルマンディー地方のルーアンまでの174.2kmで丘越え区間の第4ステージが行われる。
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