「頭を鈍器で殴られたような衝撃」寝たきりになる原因1位の病気・脳卒中 医師「前兆より予防を」
10月は、脳卒中について正しく理解を深める「脳卒中月間」です。日本人の死亡原因として4番目に多い脳卒中。防ぐために何を心がければいいのでしょうか。
福岡県庁のロビーでは脳卒中について理解を深めてもらおうと、展示会が開かれました。
脳卒中は、脳の血管が破れたり詰まったりして起こります。厚生労働省によりますと、去年の日本人の死因で、がん、心疾患、老衰に続いて4位で、寝たきりになってしまう原因としては1位の病気です。
■福岡県 健康増進課・能勢優希 主任技師「がんなどに比べるとまだまだ関心度が低く、皆さんが知らない部分が多いのかなと思います。病気について正しく理解して、予防に努めてもらえればと考えています。」
脳卒中の患者や、その家族のサポートを続けている人がいます。福岡市早良区に住む市原礼子さん(60)です。市原さん自身も高校2年生だった16歳の夏、部活のウォーミングアップ中に、脳卒中の一つ、「脳梗塞」を発症しました。■脳卒中の患者と家族をサポート・市原礼子さん(60)
「走り出した瞬間に頭をガンと鈍器で殴られたような、すごい衝撃があった。そのまま足が動かなくなって、その場に倒れ込んだ状況だと思います。」
目を覚ましたのは、病院に運ばれて1週間ほどたってからのことでした。■市原さん「いつも髪の毛を結んでいたのですが、結ぼうと思ったら手が動かないことに気づいた。『結べない、動かない、何これ』と思ったのが最初のショックだったのかなと思います。」
左半身がまひし、「一生、車いすかもしれない」と言われましたが、およそ半年間リハビリを続け、杖がなくても歩けるまでに回復しました。ただ、左手は今も動かすことはできません。
福岡市中央区の九州医療センターでは、脳卒中の患者やその家族のための相談窓口が設けられています。生活やリハビリに関する悩みに、医師や看護師などが無料で相談に応じます。医師は、脳卒中の怖さの一つは突然発症することだと指摘します。■九州医療センター 脳血管センター・杉森宏 部長「症状としてはいきなり起こることが多いです。前兆となるような症状を把握するより、基本的に予防が一番です。」
脳卒中の主な要因にいわゆる生活習慣病が挙げられるとして、規則正しい生活を呼びかけます。
■杉森 部長「高血圧、糖尿病、高脂血症といった病気が基本となります。軽い運動はした方がいいですし、食事はバランス良く、そして生活リズムを整えること。どの病気にも言えますが、 脳卒中に関しても最大の予防になるかと思います。」脳に大きなダメージを与え、死に直結する恐れもある脳卒中。リスクを回避するためにも、日頃の生活を見直すことが重要です。
※FBS福岡放送めんたいワイド2025年10月17日午後5時すぎ放送