渋野日向子が引き受けた「Rookie PODS」ってなんだ?
◇米国女子◇マイヤーLPGAクラシック for Simply Give 最終日(15日)◇ブライズフィールドCC(ミシガン州)◇6611yd(パー72)
米女子ツアー(LPGA)には、1人のルーキーに対して1人のベテラン選手が「メンター(導き手)」となってサポートするという取り組みがあった。しかし、2025年シーズンでは「Rookie PODS(ルーキーズ・ポッドゥ)」という4、5人のルーキーに対して先輩選手1人が相談役を担うという形に変わった。
「PODS」とは「Peer、Onsite、Distance、Staff」の頭文字からできた造語。コース内ではライバルに変わりないが、ルーキーたちがベテラン選手らに気軽に質問できる環境を作るのが目的になる。そして、今年新たに加わった日本勢5人のルーキーの相談役を一手に引き受けたのが渋野日向子だった。
昨季はこの取り組みは行われておらず、LPGAの広報によれば「正確な時期は分からないが、10~12年前に始まった制度」とのこと。ベテラン選手らへの打診はLPGAによって行われ、「興味、関心が似ていたり、ツアーメンバーになるまでの経歴が似ている選手同士を組み合わせるようにしている」と説明した。渋野以外にポーラ・レト(南アフリカ)、キム・アリム(韓国)、ローレン・コフリン(米国)、パティ・タバタナキット(タイ)がポッドゥリーダーを務める。
「何もやらんよ?」とはぐらかす渋野だが、3月に一度ツアー側が用意した会場で全員集まって顔合わせした。LPGAからは「ゴルフ以外で夢中になっているもの」、「気分転換やリラックスするためにすること」など質問リストが渡されたが、基本的に交流の仕方はリーダーの裁量に任された。渋野は「自分がそういう(質問する側の)立場だったら『聞けないな』ってなるかもしれないけど、いつでも相談に来てほしい」と話した。
ルーキーの山下美夢有は「分からないことがあれば、身近で聞ける先輩がいるのはありがたい」と言う。馬場咲希も「まだ私は試合で悩んでいることへの成功体験が少ないから、そういう実体験の話を聞きたいというのはある」と話すなど、新天地の拠り所として心強い存在になっている。 (ミシガン州ベルモント/石井操)