「低価格ロボット掃除機」の進化に驚いた…「3万円の中国製」と「4万円のルンバ」を実際に使ってみた結果(プレジデントオンライン)

■ルンバは19分、アンカーは31分で「終了」  隅はゴミが取れているが、手前が少し残っている。3本脚のテーブルでは2本の脚は丁寧に掃除をしたものの、奥の脚まわりは掃除をすることなく終わってしまった。ただ、カーペットは髪の毛もペット用の砂もキレイに取りきっていた。  12畳のリビング+4畳のキッチン合計で、ルンバは水拭き+掃除機がけで19分、アンカーは31分の掃除時間で、後者のほうが長かった。移動が早いものの、途中でグルグルと回転し、迷っている時間もあった。  今回は大量の髪の毛を吸い込んだが、サイドブラシにほとんどからんでいなかったのはアンカーだ。どちらもメインブラシはきれいなままで、ロボット掃除機本体のお手入れはラクだった。  自動ゴミ収集ステーションがあるタイプでも、ロボット掃除機本体のフィルターは、たまにチェックしてほしい。ホコリなどが目詰まりする場所だからだ。ここが詰まってしまうと、吸引力に影響する。掃除後にアンカーのフィルターを確認すると、やはり少々付着していた。 ■ルンバにも欠かせない“お手入れ”がある  ルンバは、掃除後にロボット掃除機からゴミを捨てる必要がある。また、水拭きをした後は、モップパッドを手洗いし、乾かしておかなければならない。ここを怠ると雑菌が繁殖するので、こまめにお手入れはしておきたい。  ハイエンドモデルになると、このモップを自動で洗浄し、乾燥まで行ってくれるが、モップパッドの手洗いはそれほど大変ではなく、サッと洗えるのでそれほど苦ではなかった。自分の目で汚れが落ちたことを確認したいという人は、手洗いのほうが安心かもしれない。  テストの結果、ルンバは疑似ゴミの残りが少なく、掃除性能で他機種よりも優れていた。さらに障害物の回避性能も高く、スムーズに部屋を走行できる点が特徴的だ。価格はやや高めではあるものの、総合的な完成度ではルンバが一歩リードしている印象を受けた。  今回のテストでは、一般的なホコリよりもやや重い砂を用いて検証したが、全体的な結果は優秀であった。もちろん、上位モデルと比べるとやや弱さは残るものの、日常的なホコリや髪の毛程度であれば十分に対応できる。  機能面では、アンカーはゴミ捨ての手間を省ける点が強みであり、ルンバは水拭きまで任せられる点が魅力だ。賢さという観点では、掃除機がけと水拭きの両方を行えるルンバに軍配が上がるが、フローリングや毛足の短いカーペットの掃除機がけが中心であれば、アンカーでも十分に満足できるだろう。  ロボット掃除機の選択肢は年々広がっており、それぞれに「できること」と「できないこと」がある。自宅の環境やライフスタイルを踏まえて、最適な一台を見極めたい。 ---------- 石井 和美(いしい・かずみ) 家電プロレビュアー 1972年生まれ。出版社の編集者を経てフリーランスに。日用品や家電のレビューを行うライターとして活動を始め、家電レビュー歴は15年以上。一戸建ての「家電ラボ」を開設し大型白物家電をはじめ生活家電の性能や使いやすさをテストしている。 ----------

家電プロレビュアー 石井 和美

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