来週の株式相場に向けて=イラン戦争の着地点を探る、米議会の承認が焦点の声も

日経平均 <日足> 「株探」多機能チャートより
 2月28日の米国とイスラエルによるイラン攻撃を契機とする市場の波乱は、収束のメドが立たない状況が続く。3月第2週(9~13日)の日経平均株価は、前週比3%安と第1週の5%安に続く下落となった。

 市場が注視する原油は、WTI価格が9日に一時1バレル=119ドル台に急騰した後、10日に76ドル台まで急落したが、13日には98ドル台まで値を上げ、再び100ドルを意識する動きとなった。

 「原油の上昇基調は当面続きそうだ」(市場関係者)との見方が増えるなか、焦点となっているのはイラン戦争をどう終結させるかだ。「米国では軍事攻撃開始後、60日以内に軍事力行使承認の決議を可決させることが義務づけられている。トランプ政権は、議会の承認や予算面でイラン戦争から撤退を余儀なくされる可能性はあるのではないか」(アナリスト)との見方も市場には出ている。  結局、戦争継続に向けた予算がつかなくなり、トランプ氏が一方的に勝利を宣言した後に、イラン戦争から手を引くという筋書きだ。ただ、イスラエルはイランを徹底的に叩く方向にある。「イスラエルの場合、戦力面で優位にあるとはいえ、ガザ地区への攻撃とは異なりイランは広大でありいつまでも戦争はできるわけではない。イランもホルムズ海峡を封鎖していると自国の石油産業にも悪影響が出てくる。しばらく原油相場は高止まりが続くが、年央以降は原油相場が落ち着く方向になるのではないか」(同)という。  そんななか来週は中銀ウィークを迎える。米連邦公開市場委員会(FOMC)が17~18日、日銀金融政策決定会合が18~19日に開催される。FOMC、日銀決定会合ともに金融政策は現状維持の見通しだが、足もとの原油価格上昇などを背景に従来の米国は利下げ、日本は利上げという方向感には変化が出てきている。欧州中央銀行(ECB)理事会も18~19日に開催され、政策金利は据え置き見通しだが、年央にかけての利上げ観測が急浮上している。

 特に、日銀会合に関しては4月以降の追加利上げに関して見方が対立している。為替は1ドル=160円を視野に入れた円安が進んでおり、日銀会合に向けた為替動向が高い関心を集めている。

 来週は、米テック企業では16日にエヌビディア<NVDA>が開発者イベント「GTC2026」を開催する。18日にはマイクロン・テクノロジー<MU>が決算発表を予定している。 また、政治面では高市首相が訪米し19日に日米首脳会談が開催される。

 上記以外のスケジュールでは、海外では16日には米3月ニューヨーク連銀製造業景気指数、米2月鉱工業生産、18日に米2月卸売物価指数(PPI)、19日に米3月フィラデルフィア連銀製造業景況感指数が発表される。16日にダラーツリー<DLTR>、19日にアクセンチュア<ACN>、19日にフェデックス<FDX>が決算発表を行う。

 国内では17日に20年国債入札、18日に2月貿易統計、2月訪日外客数、19日に1月機械受注が発表される。18日は春闘の集中回答日となる。20日は「春分の日」の祝日で休場となる。16日にギフトホールディングス<9279>、17日にビジョナル<4194>、ラクスル<4384>、19日にサツドラホールディングス<3544>が決算発表を行う。来週の日経平均株価の予想レンジは5万2800~5万4800円前後。(岡里英幸)

出所:MINKABU PRESS

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