内水氾濫か “鍋の底” “見えない川” 目黒区自由が丘で何が? 記録的大雨2025年9月11日
東京都内や神奈川県では、9月11日、記録的な大雨となり、川の氾濫や浸水被害が相次ぎました。専門家は「都市部では地下にも『見えない川』が流れていて、猛烈な雨が降るとあふれることを意識して欲しい」と訴えています。目黒区自由が丘などでの専門家の調査や、局地的な大雨の浸水リスクを把握するためのポイントをまとめました。
9月11日、関東を襲った記録的な大雨。東京都内や神奈川県では、1時間に100ミリ以上の猛烈な雨が観測されるなど記録的な大雨となり、川の氾濫や浸水被害が相次ぎました。東京の都市部では、地形に加えて、猛烈な雨に排水が追いつかずに起きた内水氾濫の影響が拡大した可能性があると、専門家は指摘しています。
1時間に134mmの猛烈な雨 目黒区を調査
商業エリアとして人気を集める東京・目黒区自由が丘。11日、近くの、都が設置した雨量計で1時間に134㎜の猛烈な雨を観測し、浸水被害が発生しました。
都心部の川や地形に詳しい帝京平成大学の小森次郎教授は、大雨が降った地域のうち、目黒区を調査しました。
自由が丘 地下の九品仏川で逆流か
小森教授が、浸水の原因として指摘したのは「内水氾濫」です。地形的に低くなっている場所は緑道となっていて、地下には九品仏川が流れています。もともと地上を流れていましたが、地下に建設され、雨水が流れ込むほか下水道管として活用されています。
小森教授は、急激に降った猛烈な雨に排水が追いつかず、九品仏川で水が逆流し、あふれた可能性があるとしています。
帝京平成大学 小森次郎教授「地形の特徴の確認に加えて、見えない地下を通っている下水道管がどこに存在するのかにも注意を向ける必要がある」
“鍋の底”のような地形
上の画像の右は自由が丘駅周辺の地図、左は標高差を立体的に示した地図です。自由が丘駅前の店舗が並ぶ商業エリアでは周囲と比べると標高が最大で5メートルほど低く「鍋の底」のような地形になっているといいます。
小森教授は「こうした標高差のある地域は数多く存在しており、地形の特徴を確認する必要がある」と指摘します。
谷沢川氾濫 世田谷区野毛の調査では
また、小森教授は、地区を流れる谷沢川が氾濫した世田谷区野毛も調査しました。ここでは川の近くの斜面があふれた水で削られていたことが確認できたほか、水が住宅街に流れ込むのを防ぐために設置されていた擁壁を超えていたことも確認されました。
小森教授は、世田谷区に降った雨水が集まることで、谷沢川では水位が急激に上昇して強い力で流れ、氾濫が起きたと分析しています。
内水氾濫ハザードマップの確認を
小森教授はこうした局地的な大雨の浸水リスクを把握するためにはまず、内水氾濫ハザードマップを確認することが必要だと指摘します。
その上で「今までの経験を上回るような大雨が降るおそれは今後もある。ハザードマップを見るのは今では最低限のことと言え、できれば地形についても確認しておいて欲しい」と訴えています。
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