台湾が頼総統の出席打診、ローマ教皇葬儀に-トランプ氏と同席の機会
- 頼清徳総統が台湾を代表して参列できるようバチカンに要請-副大臣
- 実現してもトランプ米大統領と頼総統が直接言葉交わす可能性は低い
台湾はローマ教皇フランシスコの葬儀に、頼清徳総統を派遣する方向で調整を進めている。実現すれば、各国・地域首脳と台湾総統が接触する希少な機会となる。
台湾外交部の呉志中政務次長(副大臣)がブルームバーグ・ニュースに対し、頼清徳総統が台湾を代表して葬儀に参列できるよう、台湾当局がバチカンに要請したと明らかにした。「返事を待っているところだ」と呉氏は述べた。
バチカンにコメントを求めたが、現時点で返答はない。
台湾総統が各国の現職首脳と顔を合わせるのは異例だ。中国は自国と国交を結ぶ国に対し、台湾との外交関係を絶つよう要求している。台湾が現在、外交関係を持つ国は12カ国で、欧州ではバチカンのみ。
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台湾はこれまでにもローマ教皇に関する行事に総統を派遣してきた。馬英九総統(当時)は2013年に教皇フランシスコの就任式に出席。陳水扁総統(同)は05年にヨハネ・パウロ2世の葬儀に参列した。
バチカンが今回要請を受け入れた場合、現職の台湾総統と米大統領が同じ場に居合わせるのは20年ぶりとなる。トランプ氏は自身のソーシャルメディア「トゥルース・ソーシャル」で、教皇フランシスコの葬儀に出席すると表明した。
ただ、26日に執り行われる同葬儀で、トランプ氏と頼氏が実際に言葉を交わす可能性は低いとみられる。陳総統がヨハネ・パウロ2世の葬儀に参列した際は、ジョージ・W・ブッシュ米大統領(当時)と握手を交わす機会もなかった。
今回の台湾側の要請は、バチカンにとっても微妙な判断を迫られるものになる。教皇フランシスコはここ数年、中国当局との関係改善に努めてきた。
中国外務省の郭嘉昆報道官は22日の定例記者会見で、中国が葬儀に代表者を派遣するのかと問われ、提供できる情報はないと答えた。
バチカンは1951年に中国との外交関係を断絶したが、2018年には中国国内の司教任命方法を巡って暫定合意を結んだ。合意はその後3回延長されている。
原題:Taiwan Seeks to Send Lai to Pope’s Funeral With World Leaders(抜粋)