米自動車販売、1-3月はGMと現代自が好調-関税控え駆け込み

1-3月(第1四半期)の米自動車販売では、米ゼネラル・モーターズ(GM)や韓国の現代自動車で大幅な増加が見られた。トランプ大統領による関税政策を受け、価格上昇を懸念した消費者が購入を急いだことが背景にある。

  GMの1日発表によれば、1-3月の販売台数は17%増加。リテール販売は15%増えた。トヨタ自動車では、同四半期ベースでの販売台数が小幅な伸びとなった。

  現代自の北米部門の最高経営責任者(CEO)、ランディ・パーカー氏は記者団に対し、この週末に見られたような好調さはしばらくぶりだとし、「多くの人がこの週末に駆け込んできた。特に、関税発効の前に購入しようという動きが目立った」と語った。

  エドマンズやコックス・オートモーティブといった調査会社は、自動車関税に伴う価格上昇に不安を抱く消費者の駆け込み需要によって販売台数が押し上げられる可能性が高いと予想していた。自動車関税は今週に発動される。

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  JDパワーのデータ・分析担当プレジデント、トーマス・キング氏は声明で、「関税の見通しは既に業界に影響を及ぼし始めている」と指摘。3月の販売台数は「特に強い結果となっており、関税に関連した価格上昇を回避すべく消費者が購入を加速させたことが背景にある」と説明した。

トヨタの販売代理店(カリフォルニア州エルセントロ)

  現代自動車は3月と1-3月期の両方で販売台数が過去最高を記録。主力モデルである小型スポーツタイプ多目的車(SUV)「ツーソン」とコンパクトセダン「エラントラ」は2桁の伸びとなった。同社発表によれば、1-3月の販売台数は10%増の20万3554台。3月単月では13%増えた。

  起亜自動車も1-3月に11%増の19万8850台と、過去最高を記録。コンパクトSUVの「スポーテージ」やセダン「K4」が好調だった。

  GMの広報担当は、3月の販売は力強かったとしつつ、トランプ関税を控えた駆け込み需要がどの程度あったかを具体的に数値化するのは難しいと説明した。同社では刷新した中型ピックアップ「シボレー・コロラド」が73%増と大きく伸びたほか、中型SUV「シボレー・トラバース」も62%増えた。

  トヨタは3月に7.7%増加したが、1-3月では1%未満の増加にとどまった。主力モデルのコンパクトSUV「RAV4」と中型セダン「カムリ」は、3月単月と1-3月の両方で販売が減少。米国在勤の広報担当は、RAV4とカムリはトヨタのトップセラーであり、在庫が逼迫(ひっぱく)していると述べた。

  一方で高級車ブランド「レクサス」は3月に5.8%増、1-3月は14%伸びた。

  フォードは1-3月のリテール販売が5%増、3月単月では19%の伸びとなった。ただ1-3月の全体の販売台数は、大型トラックを除いたベースで1.3%減の49万8480台。この減少についてフォードは、レンタカー会社へのフリート販売の減少や2モデルの生産終了が主な要因だと説明している。

  ホンダの販売台数は、「ホンダ」と高級車「アキュラ」のブランド全体で1-3月が5%増、3月単月では13%増えた。主力モデルのクロスオーバー「CR-V」は1-3月に9%増、3月単月では24%増加した。  

原題:GM, Hyundai Sales Jump as Trump Tariff Fears Spur Car Buying (1)(抜粋)

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