ニュージーランド、景気低迷で海外移住が加速-5割超は豪州へ
Tracy Withers
- 出国者の38%は18~30歳-国内の景気鈍化と失業率上昇で
- 外国人労働者も仕事少ないためNZへの移住ためらう傾向
ニュージーランド(NZ)を出国した市民権保有者が過去13年間で最多となった。移民を含めた全体の変化では入国超となったが、伸びは2年半余りで最低となった。
NZ統計局の15日の発表によると、6月までの1年間に7万1851人のNZ市民が出国。2012年6月以来最多を記録した。帰国した市民は2万5353人。その結果、市民権保有者は4万6497人の純流出となった。
多くの市民は、国内の景気鈍化と失業率上昇を受けて、より報酬の高い職を求めて海外、特にオーストラリアへの移住を選択している。
外国人労働者も、仕事が少ないためNZへの移住をためらう傾向を強めている。それを反映し、移民を含めた出入国全体では6月までの1年で1万3702人の入国超にとどまった。これは22年11月以来の低水準だ。23年10月には13万5529人とピークに達していたが、それ以降減少傾向にある。
市民の出国が増加しているものの、全体の入国超の伸び鈍化は、新たな入国者の減少が主因だ。
経済は昨年の深刻なリセッション(景気後退)からの回復が進まず、企業が投資と採用を抑制する中で失業率が上昇している。一部の地元エコノミストは、6月までの3カ月間で成長が停滞したと予想しており、NZ準備銀行(中央銀行)は今年度の年間平均成長率を0.7%と予測している。
NZ統計局によると、昨年12月までの1年間に出国した市民の約59%はオーストラリアに移住した。出国率は若年層に集中しており、今年6月までの1年間で出国した人の約38%は18-30歳だった。
原題:New Zealand Sees Most Citizens Leave Since 2012 as Economy Cools(抜粋)
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