ウクライナの戦況を一変させる 補給路攻撃の中距離ドローン部隊
ハルキウ、ウクライナ、7月6日 (AP) ー ウクライナ戦線の戦況を一変させつつある同国の中距離ドローン部隊の操縦士は、無人機から送信される熱線映像を通じて、ロシア軍の補給路となっている道路を監視し、標的を捜索している。 ロシア支配地域の上空にあるドローンから数百キロ離れた、東北部ハルキウ地域の地下司令所では、操縦士らがロシア軍の動きを待っている。車両が現れると、操縦士らはコントローラーを少し動かし、機体を標的に向けて急降下させ、前線の遥か後方にあるロシアの補給路を断つ。 中距離ドローンを運用するウクライナのK-2大隊の指揮官コールサイン「キャット」は、「これらはすでに影響を与えており、我々に有利に働いている」と語った。また、「歴史を見れば、戦争はロジスティクスを断つこと、つまり敵の補給路を遮断することによって勝利してきた。それが最も重要なことであり、補給を断ち、敵を弱体化させることだ」と付け加えた。 兵士らは軍の規定に従い、本名ではなくコールサインを使用することを条件にAP通信の取材に応じた。 ウクライナの指揮官らによると、燃料や弾薬、増援部隊を運ぶ幹線道路への攻撃を繰り返すことで、ロシア軍の物流はより遅く、よりコストがかかり、はるかに予測不可能なものになったという。これにより、ロシア軍の進撃を阻止し、ウクライナ軍による反撃や、不法に併合されたクリミアへの攻撃を可能にして、クリミア半島を本土から孤立させることができた。 最近まで、その地域の大部分はウクライナの届かない場所にあった。前線のドローンは航続距離が不足しており、長距離ドローンは何百キロも離れた戦略的標的のために温存されていたからだ。その間には25キロから200キロの回廊が広がり、そこではロシア軍や物資が比較的自由に移動していた。 しかし、スターリンク衛星通信を搭載した固定翼の中距離ドローンがその隙間を埋め始め、ロシアの兵站後方を活発な戦場へと変えつつある。 中距離ドローン作戦の仕組みは、一見それとは分からない場所に隠されている。普通のオフィスが司令所となり、工務店の作業場がドローンの組み立て拠点となり、風情ある村の家が発射サイトとなる。 ウクライナの最も精鋭なドローン部隊の一つであるK-2の核心部は、地味な作業スペースにある。ワークステーションにはコーヒーカップやエナジードリンクの缶、電子タバコが散乱している。5月に同部隊は800機の中距離ドローンを発射し、そのうち650機が目的の標的に命中したが、そのすべてがこの部屋から遠隔操作で行われた。 私服に身を包んだ操縦士らは、蛍光灯の下に座り、まるで夜遅くまで表計算ソフトに向き合っているかのようにコンピュータの画面を凝視している。しかし、モニターの格子状の画面に映っているのは、標的リストと衛星地図だ。 離陸前に各飛行ルートを計画すると、200キロ以上離れた別の部隊が機体を発射する。その後、制御はハルキウの操縦士に引き継がれ、ロシア軍の戦線の背後100キロ以上の場所で最大4時間ドローンを飛行させる。 ロシアの侵略によって故郷を追われた一部の操縦士は、ドローンのレンズを通して見慣れた街並みを再訪し、かつて通った学校や幼少期の遊び場を通り過ぎながら、隠されたロシア軍や弾薬庫がないか捜索している。 画面に映るのが、燃料や物資を運ぶトラックや、オートバイに乗った一人の兵士だけの時もある。しかし、別の時には、弾薬を満載した多連装ロケットランチャーや、ロシア軍の集団といった、より価値の高い標的で画面が満たされることもある。 トップ操縦士の一人であるファラオ(20)は、この仕事は自然にできるもので、自分が育ったビデオゲームの延長線上にあると語った。「ここでの競争も(ゲームと)ほとんど同じだ。誰がより多くの敵兵を殺害できるか、あるいは誰が最も大きな標的に命中させられるかという競争だ」と彼は言う。 ホワイトボードには、部隊の10人のドローン操縦士による現在進行形の競争が記録されている。現在の記録は17回連続命中だ。 ウクライナの突破口は今年初め、スペースX社がロシア軍によるスターリンク衛星サービスへの不正アクセスを遮断し、ロシアのドローン運用と通信を混乱させたときに訪れた。これによりウクライナは優位に立ち、改良されたドローンで検知を回避し、電波妨害に抵抗し、より正確に攻撃できるようになった。一方でロシアは適応に追われた。ウクライナの中距離ドローン作戦の成功は、この変化の結果である。 K-2が運用する「ダート(Dart)」は、拡大を続けるウクライナの中距離ドローン編隊の中でも比較的安価なモデルの一つだ。発泡スチロール、木材、3Dプリントされた部品で製造されたダートは、主にロシアの兵站車列を標的にしている。より大型の「ホーネット(Hornet)」などのドローンは、より重い積載量を搭載し、橋やその他のインフラを攻撃する。 発射前に、クルーはバッテリー、カメラ、フライトコントローラー、そして任務中にドローンとの接続を維持する最も重要なコンポーネントであるスターリンク衛星通信システムを検査する。組み立て拠点から、ドローンは前線近くの隠された発射サイトへと運ばれる。 そこでは、コールサイン「バックウィート」と呼ばれる兵士が機体の間を動き回り、各スターリンク端末が接続されていることを確認してから、ドローンをカタパルトで空へ射出する。 3か月前に作戦が激化した際、ロシア軍は不意を突かれた。現在、ロシア軍はドローンを撃墜するために移動式の射撃部隊やその他の対抗策を配備し始めている。しかし、作戦のスピード、規模、そして奇襲の要素により、これまでのところウクライナが一歩先を行っている。 ウクライナの作戦は、占領されたマリウポリ、ベルジャンシク、メリトポリ、そしてクリミア半島を結ぶ幹線道路に焦点を当てており、これらはウクライナ南部および東部で戦うロシア軍を支える主要な動脈である。指揮官らは、持続的な攻撃によりロシア軍はより遅く、効率の悪い補給ルートへの変更を余儀なくされていると述べている。 ウクライナ軍参謀本部情報総局は、ドローンによってロシアとクリミアを結ぶ陸上回廊の一部が危険すぎる場所となり、燃料や弾薬、増援部隊の移動が遅れていると指摘する。 (日本語翻訳・編集 アフロ)