元横綱白鵬の宮城野親方が見た大の里「連続優勝して、全勝したら、直すとこないんじゃない?」

宮城野親方(2024年3月10日撮影)

<大相撲夏場所>◇14日目◇24日◇東京・両国国技館

史上最多45回の優勝を誇る元横綱白鵬の宮城野親方が、報道陣の取材に応じ、大の里について語った。

-今場所の大の里をどうみましたか

「型がものを言うと前から言ってきました。(大の里は)左の使い方が弱い部分もあるけど、右差し、右下手、右の使い方の型が、群を抜いてうまさ、強さ、光りましたね。だから連続優勝につながった」

-あと2日間、14勝と全勝は違いますか

「優勝額を見た時に、優勝と全勝は感じが違いますね。全勝優勝すると、じゃあまた次も全勝だ、そうすると30連勝。また全勝だと45で大鵬さんに並ぶ。物語ってそこなんですよ。1回できるともう1回できるってありますから」

-宮城野親方は綱とりの場所で全勝しました。いつもと違うプレッシャーは感じられたか

「14日目に優勝が決まったかな。で、(大の里は)昨日で決まったんで、今日ですよ。多分思いっきりいくだろうけれど、ちょっとこう、冷静に取り組んでほしい」

-全勝は難しいと感じたことはありますか

「関脇までは相撲が楽しくて、大関になって楽しさが薄れて、横綱になったら人生が終わったような。それで大鵬さん、千代の富士さんに出会って、少しずつ意識を変えた。全勝優勝って、うれしいもんですよ」

-大の里は初の綱とりで優勝。精神的強さは感じますか

「今回で(優勝は)4回目か。3回優勝で結構いろいろ感じたり、結構負けが込んだ場所もあったね。それで自分を見つめ直す時期もあったでしょう。短期間だと思うんだけど。先場所の決定戦とかね。それまでは高安になかなかすんなり勝てなかった。春巡業に出て、一回り大きくなって夏場所にかけてたんじゃないですか」

-大の里の課題は

「連続優勝して、ここで全勝したら、直すとこないんじゃない? 負け込んで、ちょっと壁に当たったら考えるだろうけど。私だったら、右が来たら左(上手を)取る。今は左前みつ、左上手を取る人がいないからね、取らせてくれないから」

-現役だったら大の里にどういきますか

「わかってるくせに(笑い)。でもそれね、左と右の展開になると思う。まあ、(左上手を)取れば勝つと思うね。取らなかったらいい勝負になるんじゃないの」

-先場所まであった課題は消えつつありますか

「そうね。豊昇龍の存在も大きかったと思うよ」

-大の里は将来的に何回優勝できると思いますか

「今の調子なら、全部優勝できるんじゃない? 2場所連続優勝でしょう。そういう高い目標をもってやるべき」

-大の里は白鵬杯優勝から成長しました

「優勝したし、自分自身もスカウトしたことあるからね。どこの部屋行っても横綱になったのかなと」

-大の里は中3で優勝して、宮城野親方と写真を撮った。覚えてますか

「その中学生見てると、大人に負けないような、すごいなと思って下で見てましたけど、まさかその子がね。大関で連続優勝を果たしたっていう、まずはクリアしたっていうのはすごいな。ようやくそういう人間が育ったなって感じですね」

関連記事: