PS5『ゴースト・オブ・ヨウテイ』はメインクエストだけなら「『ツシマ』よりほんのちょっと長い程度」。目指したのは単純なボリュームアップではない

ソニー・インタラクティブエンタテインメントは10月2日に『Ghost of Yōtei(ゴースト・オブ・ヨウテイ)』をPS5向けにリリース予定だ。そんな本作について、開発元であるSucker Punch Productionsの共同設立者、Brian Fleming氏が海外メディアGame Fileのインタビューに応じた。同氏によれば、本作のメインクエストの長さは前作『ゴースト・オブ・ツシマ』より「ほんの少し長い」だけだという。海外メディアGamesRadar+が報じている。

『ゴースト・オブ・ヨウテイ』(以下、ヨウテイ)は『ゴースト・オブ・ツシマ』(以下、ツシマ)の流れを汲むオープンワールドアクションゲーム。本作の舞台となるのは1603年の北海道だ。蝦夷富士とも称される羊蹄山を抱く地での冒険が繰り広げられる。主人公である女武芸者の篤(あつ)は、殺された家族の仇を討つべく、復讐心に燃える一匹狼だという。また作中では、蝦夷地の民からの依頼や賞金首探しなど、道草して路銀を稼ぐことも可能。篤がどのように戦い、苦境を乗り越え、名を残すのか。プレイヤーの選択次第で、篤の生き様は変わっていく。

そんな本作について、海外メディアGame FileがSucker Punch Productionsの共同設立者であるBrian Fleming氏にインタビューをおこなった。GamesRadar+などがその内容の一部を報じており、『ヨウテイ』のメインクエストのクリアにかかる想定時間は『ツシマ』より「ほんの少し長い(a little bit longer)」という。ちなみに『ツシマ』といえば、たとえばプレイ時間報告集積サイトHow Long To Beatではメインストーリーのクリアまで25時間とされている。

同インタビューによると『ゴースト・オブ・ヨウテイ』の開発で目指したのは、磨き上げられた多彩な体験をプレイヤーに提供することだったようだ。前作よりも改善された「壮大さとスケール感」をプレイヤーに感じてもらうのが目標で、レンダリングやアニメーション、サウンドなどあらゆる面が前作よりレベルアップしているが、シンプルにプレイ時間を長くしてボリュームを出すというような考えはなかったそうだ。結果的にメインストーリーの長さは『ツシマ』より若干長い程度で落ち着いたということなのだろう。

なお弊誌が過去に実施したインタビューでは、本作の共同クリエイティブディレクターであるJason Connell氏とNate Fox氏より、『ヨウテイ』のマップの大きさは『ツシマ』と同程度であると説明。サイズではなく密度を上げることに注力したと語られていた(関連記事)。またアートディレクターのJoanna Wang氏におこなったインタビューでは、対馬より広大な北海道という地を感じてもらうため、本作では遠景描写に力を入れたと語られている(関連記事)。本作の開発においては実際にマップのサイズを広げるのではなく、密度の上昇やグラフィックの表現などによってスケール感を演出するという狙いがあったようだ。

近年はユーザーの可処分時間の争奪が激化しているとされ、ゲーム業界人からも「ゲームのちょうどいいボリューム」をめぐるさまざまな意見が出ている(関連記事)。オープンワールドの大作ゲームとなるとボリューム感が押し出されることも多いが、『ヨウテイ』においては前作と同程度のサイズで、より体験の質の向上を図るという方針が設定されたようだ。

なお『ゴースト・オブ・ヨウテイ』では前作同様、さまざまなサイドコンテンツが用意されていることが明かされている。“『ツシマ』よりもほんの少し長い”のはあくまでメインストーリーのクリア時間とされており、寄り道しつつプレイした場合は想定クリア時間も延びると思われる。

『ゴースト・オブ・ヨウテイ』はPS5向けに10月2日発売予定だ。

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