マイランFRB理事、反対票を大統領に約束せず-総裁2人が利下げ説明
米連邦準備制度理事会(FRB)のマイラン理事は19日、今週の連邦公開市場委員会(FOMC)会合以降、トランプ大統領と話をしていないと述べた。また、金利に関して特定の方向に投票することをトランプ氏に約束しなかったと強調した。
マイラン氏は経済専門局CNBCに出演し、「私はデータや経済に関する自分の解釈に基づいて、独立した分析を行うつもりだ。それが私のすること全てだ」と述べた。
トランプ氏の側近であるマイラン氏は、ホワイトハウスの経済諮問委員会(CEA)委員長の職務を休職中だ。この異例の取り決めについて、民主党からはFRBの政策決定が政治から独立して行われる能力を脅かすと批判が出ている。
FOMCは16、17両日に開いた定例会合で、主要政策金利を0.25ポイント引き下げることを決定した。反対票を投じたのは新しく就任したマイラン氏のみで、より大幅な0.5ポイントの利下げを主張した。マイラン氏は会合が始まる直前にFRB理事に就任した。
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マイラン氏によれば、トランプ氏は16日朝に電話でマイラン氏の理事就任に祝意を示した。ただし、今回のFOMC会合でどのように投票するかについては話さなかったという。
「トランプ氏は私に特定の行動を求めなかった。私も特定の行動を約束しなかった」と同氏は述べた。
同会合ではまた、四半期の新たな金利予測が公表された。年内に計150bpの利下げを見込む唯一突出した予測を示したのは自分だとも、マイラン氏は明らかにした。
トランプ氏がFRBに強い圧力をかける中、今年に入ってFRBの独立性を巡る問題が大きな焦点となっている。トランプ氏はクックFRB理事の解任に動くという前例のない試みに出ており、最高裁による重大な判断が下される局面を迎えている。またパウエル議長をはじめとする政策当局者に大幅な利下げを繰り返し求めている。
マイラン氏はFRB理事に在任する間、政策当局者の中で説得力ある存在になりたいとの考えを示した。「今後数週間から数カ月にわたって自分の主張を行い、その過程で同僚の何人かを説得できることを望んでいる」と語った。
さらに、クック理事を含むFRBの同僚全員が「非常に温かく迎えてくれた」と付け加えた。
関税による物価への影響については、「関税による顕著なインフレは見られない。そのような影響があったという兆候は見当たらない」と話した。
ミネアポリス連銀のカシュカリ総裁は同連銀のウェブサイトに掲載した論考で、労働市場が減速していることを考慮し、年内2回の追加利下げを想定しているとの見方を示した。
サンフランシスコ連銀のデーリー総裁は人工知能(AI)に関するイベントで講演し、今回の利下げは労働市場を下支えするために行われたと述べた。ただ、今後の見通しについては言及しなかった。
原題:Fed’s Miran Says He Didn’t Promise Trump a Dissent on Rates (2)(抜粋)