レオ14世「教皇たちは過ぎ去り教皇庁は残る、教会の記憶を大切に」

 教皇レオ14世は、5月24日、バチカンで働く人々とお会いになった。

 会場となったパウロ6世ホールには、教皇庁およびバチカン市国の諸機関の責任者をはじめ、これらの組織の様々な部門に携わる大勢の職員とその家族らが集った。

 ホールに到着された教皇は、3分近くにわたる人々の長い拍手で迎えられた。

 教皇はバチカン関係者の温かい歓迎に御礼を述べながら、「拍手がスピーチより長くなると、もっと長いお話しをしなくてはいけませんから、皆さんご注意ください」とユーモアをもって答えられた。

 教皇はこの集いで関係者の日頃の任務に感謝を表すと共に、ご自身もまた、故教皇フランシスコからの任命を受け、宣教先のペルー・チクラヨ教区を後にして、教皇庁司教省で長官を務めることになったと、バチカンでの過ぎた2年間を振り返った。

 レオ14世は、さらにこのたび教皇に選ばれたことでより大きな変化と向き合うことになったと述べつつ、この状況でご自身に言えることはただ一つ、「主よ、あなたは何もかもご存じです。わたしがあなたを愛していることを、あなたはよく知っておられます」(ヨハネ21,17)という、シモン・ペトロがイエスに向けた言葉だけである、と話された。

 「教皇たちは過ぎ去っても、教皇庁は残る」とレオ14世は強調。教皇庁は、教会とその司教たちの歴史を記憶し、伝えなくてはならないと語られた。

 「生きた組織にとって記憶は不可欠な要素」と述べた教皇は、記憶は過去を振り返るだけでなく、現在を育み、未来に向かわせるものであり、記憶なしでは歩みは道を見失い、これまでたどって来たことの意味さえ喪失してしまう、と話された。

 ローマ教皇庁で働くとは、使徒座の記憶を生き生きと保ち、その中で教皇が自身の務めをより良い形で果たせるように助けることを意味する、と説かれた。

 同時に、レオ14世は、教会の宣教的側面の重要さを指摘。

「宣教的教会、橋と対話を築き、わたしたちの慈愛と寄り添い、対話と愛を必要とするすべての人に常に腕を広げる開かれた教会」となるようにと、教皇に選出された5月8日の夕方、ローマの教会に呼びかけたが、一致と、愛と、真理において奉仕するという同じ使命への招きを、今すべての教会と全世界に向けて繰り返したい、と述べられた。

 そして、主はペトロの後継者にこの課題を与えられ、皆さんもまた各自の日常の仕事と、信仰、祈りをもって、この偉大な計画に参与するよう召されている、と話された。

 レオ14世は、愛と一致という大きな目標のために協力して働くには、まず職場において一致の構築者となり、忍耐と謙遜さをもって無理解を克服し、他者を思いやり、故教皇フランシスコが教えたように、ユーモアの精神を持つことが大切、と語られた。

 教皇は、現在教会は聖母月5月にあることに触れながら、教皇庁とバチカン市国、そして皆の家族を主が祝福してくださるよう、聖母の取次ぎを祈られた。

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