《14歳年下ダンサー・菅原小春と電撃婚》俳優・黒田大輔が初めて明かした夫婦関係「コロナ禍でドア越しに縮まった2人の距離」(NEWSポストセブン)|dメニューニュース

今年5月に結婚した俳優の黒田大輔さんとダンサーの菅原小春さん

 Netflixのドラマ『極悪女王』や映画『新幹線大爆破』などでバイプレーヤーとして活躍する俳優・黒田大輔さん(47)。謎めいた俳優の黒田さんは、今年5月に人気ダンサーの菅原小春さん(33)と電撃結婚を発表。14歳年下の菅原さんを射止めた「俳優・黒田大輔」に注目が集まった。幅広い人間関係から、結婚、東出昌大さんとの意外な縁など、本人が初めて明かした──。【前後編の後編。前編から読む】

 黒田さんは現在、東京と地方のとある町で二拠点生活を送る。その場所に決めたのは、意外にも映画『ヒーローマニア 生活』『おらおらでひとりいぐも』などで共演した俳優・東出昌大さん(37)がきっかけだ。

「当時住んでいた都内のアパートが老朽化のため建て替えることになり、出ていくことになりました。新居を探して色んな場所へ足を運んでみましたが、どこもピンと来なくて、探すのに疲れてしまった。そんなとき、山暮らしをしている東出クンのことが頭に浮かんだんです。共演したとき、『電話番号を交換しましょうよ』と言われ、彼の番号をもっていたので。それで連絡をとり、2年ほど前にノンビリするつもりで彼の暮らす山小屋に行ってみたんです」

 東出さんのジビエなど、野趣あふれる手料理をいただきながら、知人の家を紹介してもらい、豊かな自然に囲まれた家を気に入った。

「古い二階建ての一軒家です。大家さんが『好きにしていいよ』と言ってくれたので、大工さんの友達やYouTubeを参考に、少しずつですが、自分で壁をぶち抜いて部屋を広くしたり、キッチンを作ったり。家を作りながら"生きること"を楽しんでいます」

 空気が澄み、涼しく、酷暑のこの夏でもエアコンなしで眠れ、おいしい湧き水もある。電気も通り、プロパンでガスも使える。一方で、電波状況が悪く、携帯が通じる場所は限られている。

「スマホはなければないで、かえって静かでいいですよ。家にはテレビもありません。トイレはありますけど、庭の外で用を足すこともあります。案外、気持ちがいい。静かな自然の循環の中に自分が戻れる感じがしますね」

ひとまわり以上離れた「妻」との出会い

 妻・菅原小春さんと出会ったのは、2021年春に上演予定だったミュージカル『消えちゃう病とタイムバンカー』。

「初めて会ったのは稽古場の喫煙所。僕が入っていくと、何人もいるなかに彼女もいた。かわいらしい方だな、と思いました。彼女は世間的にはとんがったイメージだと思いますが、恥ずかしそう、というか、シャイみたいで」

 歌舞伎役者・坂東巳之助、日本アカデミー賞優秀主演女優賞受賞歴のあるシム・ウンギョンら多彩な俳優が共演する期待の舞台だったが、コロナの影響で公演は中止となった。

「ある日、彼女がコロナにかかってしまったんです。僕はたまたま近所に住んでいたから、『必要なものがあったら持っていきますよ』とメッセージを送り、食べたいという納豆などを買って持って行きました。その頃はちょうど桜の季節。こんなにキレイに咲いているのに、外出できない彼女は見られないんだなあと思って、納豆のパックの1つに桜の花びらを入れました」

 そんな粋な行為が菅原さんの心を開いたのか、お礼のメッセージと写真が届き、そこから頻繁にやりとりするように。

「テレビ電話をつけっぱなしで話していたら、当時あった2週間の待機期間が終わり、彼女から『あれ、今夜12時過ぎたから、もう外出してもいいんじゃない?』と。『会いにいこうかな』と言ってくれたので、『いや、オレが行く』と言って会いに行きました」

 照れながら、そう話す黒田さん。コロナ禍が結んだ2人の近くて遠い家はドラマさながらの展開だ。当時から結婚を意識し、隠さず堂々と交際してきた。『極悪女王』の撮影現場にも菅原さんは顔を出し、黒田さんは周囲に「パートナーです」と紹介していたほどだ。

 メディアがスルーしたのは、14歳という年齢差に半信半疑だったのかもしれない。幸せな黒田さんは、ジェネレーションギャップもまた楽しいという。

「年齢差は流行り物や人気者の話とかが通じないときに感じるかな。彼女は元プロ野球選手の原辰徳さんを知らないだろうし(笑)。年齢差より、女性っていうのは、考え方が広い、というか大きいんだな、と感じます。1人だったときはやらなかっことをやったり、行かなかったところに行くようになりました。たとえば食事。僕はそれまで毎日納豆にキムチ、といった仙人のような食生活を送っていたんです。それでも平気だから。でも、彼女と一緒にいるといろんなものを食べに行くし、いろんなものを作って食べさせてくれる。ハンバーグとかおいしいですよ」

 結婚を公表した直筆コメントには、

《ただ一緒にいられればいいと思っていましたが、これからは、家族として日常を、当たり前のことを深く愛していけたらと思います。まだまだ未熟な2人ではありますが 少しでも地球に優しい家族になっていきたい》

 と書いた。2人が共有する価値観が込められている。

「たとえばペットボトル。便利・ありがたい・美味しい。水筒は手間・楽しい・美味しい。どっちも楽しめたら素敵だと思うんです。でもなるべく、身近なことで地球にゴミが出ないようにしていきたいんです。何でもありがたく楽しめたらいいと思ってます。」

 現実的だ。最後に「黒田さんの夢は何ですか」と聞いてみた。すると、「世界平和」と大きく出た。その心は──?

「小さなことから大きな世界平和まで、僕は全部繋がっていると思うんです。たとえば、ネガティブなやり取りをしたら、相手もネガティブな気持ちになる。攻撃すれば反撃されるか、恨まれる。それなら、せめて目の前の人だけでもハッピーになるように心がければ、寝るときに『今日もまあまあ楽しかったなぁ』と、お互い思いながら気持ち良く熟睡できる。みんながそうやって毎日を送れれば、少しでも平和な世の中に近づけると思ったりするんです。そんな気がするんです」

 黒田さんのこの気遣いや懐の深さが、やはり周囲を惹きつけるのだろう。

(了。前編から読む)

取材/文 中野裕子(ジャーナリスト) 撮影/山口比佐夫

関連記事: