NATO、地上型防空能力の5倍増強を推進-ロシアの脅威に対応

Michael Nienaber、Andrea Palasciano

北大西洋条約機構(NATO)は欧州の加盟国に対し、地上配備型防空システムを5倍に拡大するよう求めている。事情に詳しい関係者らが明らかにした。NATOはロシアによる攻撃の脅威に対応するため急ピッチで体制を強化している。

  同関係者によると、防空強化案は5日に行われるNATO国防相会合で議論される見通しだ。協議が非公開で行われているとして匿名を条件に述べた。

  目標の5倍はNATOの欧州加盟国全体での規模となるが、最終的な水準は各国で異なる見込みだという。防空強化のタイムラインは明確になっていない。

  NATOの欧州加盟国とカナダは、再軍備を進めるとともに、米国の防衛システムへの依存軽減を目指している。今週の国防相会合では、その一環として、冷戦以降で最も積極的な兵器備蓄拡大の取り組みの一つが承認される見通しだ。6月24-25日はハーグでNATOサミットが行われる。

  武器増強はNATO全体が目指す国防費拡大の一環だ。トランプ米大統領の要請もあり、NATO諸国は国内総生産(GDP)の5%相当を国防費として拠出する目標で足並みを揃えつつある。内訳は中核的な防衛に3.5%、残る1.5%はインフラやサイバー防衛などの関連分野に充てられる。

原題:NATO Is Pushing for Fivefold Boost to Ground-Based Air Defenses

(抜粋)

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