100年間使い続けられる「固体型原子力電池」発売へ(ギズモード・ジャパン)

「100年間」のインパクトよ。 アメリカの核物質メーカー・NRDが2026年4月10日に「NBVシリーズ」と名づけた固体型原子力電池(Solid State Nuclear Battery Power Cell)を発売するとPR Newswireが伝えました。 【全画像をみる】100年間使い続けられる「固体型原子力電池」発売へ 燃料にはニッケル63という放射性同位体を使い、「100年以上の連続稼働」を目指した設計が特徴です。 ただし、先に言っておくと、これは私たちのスマホやノートPCに載るような電池ではありません。発電量は極めて小さく、使い道はかなり限られています。それでも「電池を交換できない場所にある機器」にとっては、革命的な選択肢になるかもしれません。

固体型原子力電池は「ベータボルタイック電池」と呼ばれる種類に属します。 使われているニッケル63という物質は、じわじわと放射線(ベータ線)を出しながら別の物質に変わっていきます。その放射線のエネルギーを半導体(変換器)で受け止め、電気へ変える。これがベータボルタイック電池の基本です。太陽電池と似たような仕組みですね。 化学反応で発電するリチウム電池と違い、この変換は外気温にも気圧にも影響されません。密閉された固体の箱の中でも、何もしなくても淡々と発電し続けるわけです。

今回発表されたNBVシリーズの発電量は5〜500ナノワットの範囲。電圧は1.0〜20.0ボルト、電流は7.5〜33ナノアンペア。本体サイズは20mm×20mm×12mmという、だいたい事務用消しゴムを半分に切ったくらいの大きさですね。 ナノワットがどれくらい小さいかというと、スマホの充電に必要な電力(数ワット)の10億分の1程度のスケールです。ただし、温度センサーや振動センサーのように「常に微弱な信号を送り続けるだけ」で構わない機器にとっては、これくらいでも十分なのです。 NRDが想定している用途は、産業・インフラの状態監視、遠隔地の環境センサー、セキュリティシステム、自律ロボットの「スタンバイ電源」などです。要するに、年に一度どころか10年に一度も人が近づけないような場所でも動き続けてほしい機器が対象。 たとえば、橋や配管の内部に埋め込まれたセンサー、深海や極地に設置された観測機器といった用途で真価を発揮します。 同社CEOのシェル・アルフィエロ氏は、これらの設備の電源が切れることがいかに致命的かを強調しています。「電力系統の中でバッテリーひとつが損傷したり故障したりすれば、ミッション全体が崩壊する」というのが同社の主張です。

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