古巣の独走に「2014年の影」を見るハミルトン。新兵器封印のフェラーリ、上海で見えた課題/F1中国GPスプリント予選
2026年F1第2戦中国GPのスプリント予選でフェラーリは、ルイス・ハミルトンが4番手、シャルル・ルクレールが6番手に留まった。これは、一時は優勝争いに絡んだ開幕戦でのパフォーマンスを踏まえると意外な結果だった。
ハミルトンは、ルクレールに対して0.3秒以上の差をつけたスプリント予選を振り返り、「本当に満足」と手応えを得た様子を見せた。だが同時に、メルセデス製パワーユニット(PU)の圧倒的なリードに言及し、自身がかつて絶対的王者として君臨する契機となった2014年のレギュレーション刷新時になぞらえ、警戒感を示した。
メルセデス優位にハミルトンが感じた既視感
Courtesy Of Ferrari S.p.A.
フェラーリのガレージ前で笑顔を見せるルイス・ハミルトンと背後に置かれた44号車、2026年3月13日(金) F1中国GP(上海インターナショナル・サーキット)
ハミルトンは「去年の時点で意識していたことでもあるんだけど、メルセデスは僕らを含む他チームより早く開発を始めていたんじゃないかと思う。前回(2014年)もそうだったよね」と語り、古巣が再びPU規則の刷新を活かして優位性を確保した可能性を指摘した。
コーナリング性能を含めてSF-26の挙動そのものには満足感を示しつつも、ストレートでのタイムロスが深刻であることを認め、「ロスが大きすぎる。マラネッロに戻って、パワーの改善に向けて猛烈にプッシュしなきゃならない」と語り、PU性能の改善が最優先課題との認識を示した。
予選でフェラーリは、メルセデスに対してストレートで約0.8秒を失い、コーナーでは0.2秒を取り戻した。ハミルトンの言葉どおり、SF-26のシャシー性能は良好だ。だが、それでもW17との大きな差を埋めるには足りない。
フェラーリはスプリント予選に向け、FP1で話題を集めた独創的な「反転リアウイング」を取り外す決定を下した。
上海に持ち込まれたウイングは、バーレーンテストで登場したプロトタイプの進化版だった。主に構造面が改良され、剛性が高められていた。一方で稼働システムはバーレーンテスト時と変わっていなかった。
現状では作動速度がまだ遅く、稼働時のフロントウイングとの同期も完全ではなかった。このズレが空力バランスの乱れを生み、特にブレーキングでドライバー双方をかなり悩ませた。
ハミルトンは、開発を急ぎすぎた結果の「時期尚早」な投入だったことを明かした。
「なんで元に戻したのか、僕もよく分からない。本来は確か第4戦か第5戦くらいから使う予定だったと思うんだけど、ここに持ち込むため急いで準備したんだ」
「前倒しで用意してくれたのは素晴らしいことだけど、2基しかなかったし、少し早すぎたのかもしれない。だから外したんだと思う。準備が整ったら、また持ち込めるよう取り組むつもりだ」
ルクレールを襲った「バックストレートの怪現象」
Courtesy Of Ferrari S.p.A.
ガレージ内で腕を組みモニターを見つめるシャルル・ルクレール(フェラーリ)と背後に並ぶヘルメット、2026年3月13日(金) F1中国GP(上海インターナショナル・サーキット)
一方、チームメイトのルクレールは「苛立たしいセッションだった」と振り返った。SQ2ではハミルトンを上回る速さを見せていたが、SQ3での2回目のアタック中に突如としてバックストレートで0.5秒ものタイムを失ったという。
この不可解なパワーダウンがなければ、ルクレールはハミルトンを上回る4番手、あるいは3番手のノリスに迫るタイムを記録していた可能性がある。