障害者の自由と欲望…“指先しか動かない”身体で、1人で性欲を満たせない葛藤を抱え続けた28歳「ずっと我慢してきた生理的な部分」「自分をちょっと認められたような気がした」(ABEMA TIMES)|dメニューニュース
全身の筋肉が徐々に弱くなる脊髄性筋萎縮症を抱えるウッディさん(28)は、動かせるのが右手の指先数本だけという重度障害者だ。
【映像】ウッディさんが“性的なサービス”を受ける様子(実際の映像)
物心ついた頃から歩いたり体を大きく動かしたりすることはできなかったという。それでも3年前から一人暮らしを始め、今は地元の愛媛を離れ、大阪で生活を続けている。
日常生活のほぼすべてにヘルパーの介助が必要で、人工呼吸器も欠かせない。朝食・昼食・夕食の準備から就寝の準備まで、一日のほとんどをヘルパーが付き添う形だ。収入はSNSでの活動で月に約4万円の収益を得ているが、家賃と生活費の多くは障害年金に頼っている。そのため、ネット上では「(障害者)年金もらって 行政に助けてもらってる」 「ヘルパーさんに介助されて どこが自立なの?」といった批判的な声も上がっている。
障害のある人が一人で暮らし、自由を叶えようとするとき、社会はどう関わっていけばいいか。『ABEMA Prime』では、ウッディさんとともに考えた。
■「今動けるうちにやりたいことをやってみたい」
ウッディさんが一人暮らしを決意した背景には、病気の進行への切実な思いがある。「今日の自分の体の状態が最高な状態で、明日よりまた弱っている可能性もある。それだったら動けるうちにやりたいことをやってみたい」と語る。
学生時代から体力の低下や体の変化を感じていたが、大人になってからより強くそれを実感するようになったという。「実家で家族と暮らしていると、人と会いづらかったり、自分だけの生活の選択が難しいところがある。自分の生活の場を持って、責任も選択も全部自分でやっていきたい」という思いが一人暮らしの理由だと説明する。
親に打ち明けた際は、「やりたいと思うならやってみなさい」と言ってもらえたといい、「そういう面ではすごく恵まれた環境だった」と振り返る。また、愛媛の実家近くではヘルパーや医療資源が年々減っていく不安もあり、都市部で暮らしてみたいという思いも重なって、昨年から大阪に移り住んだ。「選択肢も多いし、今住んでいる世界がすごく楽しい」す。
■「障害者ならではのプレッシャーはある」
公的支援を受けながらの生活について、ウッディさんは「客観的に見て100%自立と言えないところもある」と語りつつ、「でも僕らが生きていくためには家族やヘルパー、看護師、絶対誰かの手を借りて生きていかないといけない。今ある選択肢、今ある世界の中で自分が届く範囲の自立はできていると思っている」と述べる。
一方で、幼い頃から感じてきたプレッシャーについても明かす。「物心ついた時から障害を持って寝たきりで育ってきたが、自分ができることを100%、120%できるようにならないといけない空気感だったり、努力している人を見習わないといけない空気感はずっと感じていた。そこで劣等感を感じていた子供の時もあった。障害者ならではのプレッシャーはある」。
■「自分をちょっと認められたような気がした」
ウッディさんが一人暮らしを決意したもう一つの大きな理由が、性欲の問題だった。他の同世代と同じように、中学・高校生の頃から性的な関心や欲求は芽生えた。でも、指先しか動かないことから、自分ではどうにもできなかった。家族にも言えず、ひとりで悩みを抱えてきた。苦悩をかかえていることさえも知られれば、周囲の人に引かれてしまうのではないか、関係性が崩れるのではないかと不安を抱え続けてきたという。
一人暮らしを始めてから、障害者専門のプライベートサービスを月に1回利用するようになった。「ずっと我慢してきた生理的な部分で、体が軽くなったり、身体的な部分ももちろんあった。でもそれ以上に、普段の生活の中とは違う人との触れ方、そういう思いを持っていいんだっていう、自分をちょっと認められたような気がした」と話す。
一人暮らしの理由としての割合についても「結構大きい。もちろんそれだけじゃないけど、割合としてはすごく大きかった」と率直に述べる。そして「月1回のサービスで全部叶えるかというと、もうちょっと選択肢が増えたらいいと思う。でも、もともとそういう選択肢が全くない生活をしていた中で、今ようやくそういう選択肢が出てきた。あとは自分がもっと稼いで余裕を作っていくところが今の目標」と続ける。
最後に、同じような障害を持つ人々に向けて、「障害を持つ人がどう生きたいか、どう過ごしたいかは人それぞれ違う。やりたいと言える空気感、できるかわからないけど、それを言ってもいいという空気感の中で生きられるのが一番大きい。自分も言えない時期がずっとあった。自分と似た障害の人も、そういうことがもっと言えるような社会になってほしい」と語った。
(『ABEMA Prime』より)