日産、転換社債と普通社債で7500億円調達 リファイナンスなどに充当
業績が悪化している日産は、2026年3月期中に償還を迎える5580億円の普通社債のリファイナンスが焦点となっていた。
転換社債は、米国を除く欧州やアジアを中心とする海外市場で募集する。満期は31年7月15日。払込期日は今月25日(英国時間)。調達資金は電動化のほか、自動車の性能を左右する基本ソフトウエアなどの開発資金に充当するという。
同時に、米ドル建及びユーロ建無担保普通社債の発行も決めた。調達資金は、既存債務のリファイナンスを含む企業活動資金に充てる。
日産広報は、社債発行の狙いについて「満期を迎える社債を保有する機関投資家とのつながりを継続すること」とし、「多様な投資家との新たなつながりを得るために異なる種類の社債発行を決定した」と述べた。
5月の決算発表時には、現金と現金同等物2兆2000億円を含む3兆4000億円の流動性を確保しており、必要に応じて引き出せる未使用の融資枠が2兆1000億円あると説明していた。
日産の26年3月期の連結業績予想は、営業損益と純損益を開示していない。米関税の影響で合理的な算定が困難なためで、関税影響額は最大4500億円と試算している。第1・四半期(4─6月期)の営業損益は2000億円の赤字(前年同期は10億円の黒字)の見通し。25年3月期の純損益は、構造改革費用の計上により、6708億円の赤字(前の期は4266億円の黒字)で過去3番目の最終赤字額だった。
自動車事業のフリーキャッシュフローは、4─6月期が5500億円の赤字(前年同期は3028億円の赤字)見込みだが、27年3月期までに固定費と変動費で計5000億円を削減し、黒字化(25年3月期は2428億円の赤字)を目指す。
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