午前の日経平均は反発、日銀副総裁発言で一時280円高 一巡後はもみ合い
[東京 2日 ロイター] - 前場の東京株式市場で日経平均は反発し、前営業日比104円09銭高の4万2292円88銭となった。前日の日経平均が500円超安となった反動で、買いが先行した。日銀の氷見野良三副総裁の発言を受けて円安が進行し、一時284円高となる場面もあった。終盤にかけては小幅高でもみ合う展開が続いた。
日経平均は前営業日比110円高でスタートし、中盤に上げ幅を拡大し284円高の4万2473円67銭に上値を伸ばした。ドルが147円台後半まで上昇したことなどが支えとなった。上昇一服後は小幅高での取引が続き、自民党の両院議員総会を控え手掛けにくさも意識されているとの指摘があった。指数は方向感のない動きとなったが、材料が出た銘柄を物色する動きは活発だった。
氷見副総裁は道東地域金融経済懇談会であいさつし、「経済・物価シナリオが実現していけば、金融緩和の度合い調整が適切」などと発言した。
市場では「特段タカ派的なサプライズはなく、これまでの日銀のスタンスを踏襲した内容」(T&Dアセットマネジメントのチーフ・ストラテジスト兼ファンドマネージャー、浪岡宏氏)と受け止められた。日銀の利上げ再開の時期について、副総裁の発言からヒントが得られるかが注目されていた。
目先の日本株については「8月半ばごろまで上昇した反動で、やや調整リスクに警戒している」(浪岡氏)という。テクニカル面では「25日移動平均線が位置する4万2080円近辺を維持できるか見極めたい」(国内証券・ストラテジスト)との指摘もあった。
TOPIXは0.48%高の3077.77ポイントで取引を終了。東証プライム市場の売買代金は1兆8021億5200万円だった。東証33業種では、ガラス・土石製品、卸売、海運など30業種が値上がり。陸運、情報・通信、機械は値下がりした。
プライム市場の騰落数は、値上がり1209銘柄(74%)に対し、値下がりが352銘柄(21%)、変わらずが57銘柄(3%)だった。
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