中国、米国に4つのレッドライン示す-貿易休戦もろさ露呈

Bloomberg News

  • 台湾と民主主義・人権、中国の政治体制、発展の権利の4つ
  • 中国の駐米大使、謝鋒氏が米中ビジネス協議会のイベントで語る

米中首脳会談で合意した貿易を巡る休戦を維持するため、中国が米国に対し機微に触れる4つの問題を避けるよう求めた。米中関係を試す幅広い対立点が改めて浮き彫りとなった。

  中国の駐米大使、謝鋒氏は米中ビジネス協議会のイベントで、台湾と民主主義・人権、中国の政治体制、発展の権利を中国政府にとって4つのレッドライン、つまり越えてはならない一線だと明言。「最も重要なのは、互いの核心的利益と主要な懸念を尊重することだ」と述べた。

  中国大使館が発表した声明によると、謝氏は習近平国家主席とトランプ米大統領、そして米中当局の間で得られたコンセンサスを着実に履行し、具体的な行動と成果で「両国および世界経済を安心させることが当面の最優先課題」だとオンライン形式で語った。

  関税や産業、テクノロジーのいずれの分野でも対立すれば「行き着く先は袋小路に他ならない」とも警告した。

  米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)によれば、米政府高官の反対によりトランプ氏は次世代人工知能(AI)半導体について習氏と協議するのを控えた。

  WSJは現職および元政権当局者の話として、米エヌビディアの次世代半導体「ブラックウェル」を中国に提供することは国家安全保障上の問題になると指摘したと報じた。

  謝氏の発言は、韓国の釜山で10月30日に合意された1年間の通商休戦が崩れ得る可能性を示唆するものであると同時に、首脳会談では台湾問題が取り上げられなかったものの、依然として中国にとって極めて重要であることを示している。

  中国は台湾を自国領土の一部と見なし、必要なら武力行使も辞さないとしているが、台湾は中国側の主張を拒否している。  

原題:China Urges US to Avoid ‘Red Lines’ After Reaching Trade Truce (抜粋)

— 取材協力 Philip Glamann

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