高校野球:甲子園きょう準決勝…強打の日大三対勢いの県岐阜商、2年生投手が原動力の沖縄尚学と山梨学院 : 読売新聞

 第107回全国高校野球選手権大会は21日、準決勝が行われる。第1試合は全国制覇の実績がある伝統校対決で、強打の日大三(西東京)と4強唯一の公立校の県岐阜商(岐阜)が対戦する。第2試合は、選抜大会の優勝歴がある沖縄尚学(沖縄)と山梨学院(山梨)の顔合わせ。ともに夏の甲子園では初となる決勝進出を目指す。20日は休養日で、4校はそれぞれ練習を行った。

日大三 強打健在

 日大三は伝統の強打が健在だ。その中心は今大会2本塁打の4番田中諒。豊橋中央(愛知)の高橋、関東一(東東京)の坂本と好投手から放ち、試合の流れを呼び込んだ。1番松永は出塁率が5割と高く、6番竹中、7番安部も好調。主将で3番本間の調子が上がれば打線の破壊力はさらに増す。

準々決勝で今大会2本目の本塁打を放つ日大三の田中諒

 エースの右腕・近藤は2試合を完投し、準々決勝も四回途中からロングリリーフと、3試合すべてに登板している。

 三木監督は「投手は疲れている。打ち勝たないと」と、打撃戦で上回るつもりだ。

県岐阜商 勢い乗る

力投する県岐阜商のエース柴田

 県岐阜商は準々決勝で、今春の選抜大会を制した横浜(神奈川)を延長11回の末に破り、勢いに乗る。エース右腕の柴田は1、2回戦を3失点で完投し、岐阜大会でベンチ外だった左腕・渡辺大は3回戦で救援、準々決勝は先発で好投。ともに2年生の活躍が躍進の原動力となっている。

 打線は打率3割を超える打者が並び、4番坂口も勝負強い。藤井監督は日大三の打線について「本間君の前にランナーを出したくない。田中君は(打たれても)ソロで終わりたい」と警戒。失点を抑え、競り勝つ展開をイメージしている。

沖縄尚学 投手強力

 沖縄尚学は、ともに2年の左腕・末吉、右腕・新垣有の二枚看板が強力だ。エースの末吉は2完投を含め全4試合に登板し、新垣有は先発した2試合で好投。2人で計50奪三振、チーム防御率は0・95と群を抜く。バックも今夏は沖縄大会から計9試合で失策1と堅守を誇る。

抜群の安定感を誇る沖縄尚学の末吉

 一方、今大会の打率2割1分1厘は4強の中で最も低い。3番比嘉、4番安谷屋が本来の力を発揮できれば、得点力は高まる。比嘉監督は「打って点を取らないと勝てない。打線の回復に期待している」と奮起を促している。

山梨学院 投打安定

投打で活躍する山梨学院の菰田

 山梨学院は今大会の打率が3割9分8厘と4強の中で最も高い。スクイズを決め、本塁打も放った4番横山に象徴される攻撃は多彩。すべて継投で3試合計6失点と投手陣も安定している。

 頼もしいのは2年生エースの菰田の成長だ。山梨大会での登板機会は少なかったが、今大会はすべて先発で計15回2/3を2失点。打撃も三塁打2本を含む6安打6打点と当たっている。

 堅守の沖縄尚学に対し、吉田監督は勝負のポイントに投手陣を挙げ、「投手がゲームを作るのが絶対条件。打者の精神状態にまで影響してくる」と話した。

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