ChatGPT、無料版&廉価プランがひっそりと実質ダウングレード
ChatGPTを無料で使っている人、あるいは、日本を除く一部地域で提供されている月5ドルの「ChatGPT Go」を使っている人は、知らないうちに使っているAIが変わっているかもしれません。
OpenAIがChatGPTの仕様をサイレントダウングレード。無料ユーザーとGoユーザーは、デフォルトで最も軽量かつ低コストなモデルを使う形に切り替わりました。
この変更は、ChatGPTのリリースノートに記載されていた内容で、米メディアのWiredが発見して明らかになりました。
自動で「賢いモデル」に切り替わらなくなった
これまでChatGPTでは、質問の内容の難易度に応じて自動的に「Thinking(推論能力の高いモデル)」へ切り替わる仕組みでした。
しかし、12月11日付のアップデートでOpenAIはこの自動切り替えを廃止したんです。
今後、無料ユーザーとGoユーザーのプロンプトは、軽量・高速・低コストなGPT-5.2 Instantに送られます。「Thinking」を使いたい場合は、毎回、自分で選択する必要があるんです。
ユーザー体験の改善? コスト削減?
この変更は、一見するとユーザーの不満に応えた改善にも見えます。
というのも、ChatGPTが質問内容を判断して勝手にモデルを切り替える仕組みは、以前から不評だったんです。GPT-5登場時に「前のバージョンに戻して」と一部ユーザーから声が上がったのも記憶に新しいですよね。
一方で、この変更がOpenAIにとってのコスト削減策であることも、ほぼ間違いなさそう。それに、多くの無料ユーザーが使用モデルにこだわっていないことを踏まえても、安価なモデルをデフォルトにするのは、運営側としては合理的な判断なのかも。
安全面はちょっと心配かも
とはいえ、ちょっと心配なこともあるんです。
OpenAIは、「Thinking」に自動で切り替わる理由の一つを、精神的な不調や強いストレスがうかがえる質問に対してより適切な対応が可能だから、と説明していました。
しかし今回、その自動切り替えも廃止されているんですよね。
OpenAIは、「GPT-5.2 Instantでもそうした状況に十分対応できるようになった」としていますが、実際のところは、どうなのでしょう。
今後、「リスク回避したかったらプランをアップグレードして」なんてことにならないといいですよね。