「arrows Alpha2」登場。デザイン刷新と水中撮影対応の裏側、そしてメモリー価格高騰の影響と開発の狙い
NTTドコモの新機種として、FCNTの最新スマートフォン「arrows Alpha2 F-51G」が発表された。8月下旬以降に発売される予定で、価格は未定だ。
前モデル「arrows Alpha」のコンセプトを継承しつつ、デザインの刷新や耐久性のさらなる向上を図ったモデルとなる。
発表に合わせて公開された製品情報などから明らかになった、「arrows Alpha2」の特徴と開発の背景を解説する。
本体デザインは、ユーザーから高く評価された持ちやすさを維持しつつ、側面のミッドフレームがフラットな形状となり、よりモダンなスタイルへと刷新された。
ディスプレイ面も、前モデルでは端が湾曲した2.5Dガラスだったが、今回は完全に平らな2Dフルフラットパネルへ変更された。
さらに上下左右のベゼル幅は1.5mm以下まで削り込まれており、グローバル基準に並ぶ高い画面占有率を実現している。
ただし、左右のベゼルと比較すると、上下のベゼル幅はやや広めに設計されている。他社では上下左右どちらも細くする傾向にあるが、前モデルでは落下時のねじれに耐えやすくするため、あえて画面下の幅を持たせていた。今回もねじれに強い設計が取り入れられたと見られる。
背面の素材には、複数の層を重ねて成形されたグラスファイバーを採用した。高い強度を保ちつつ、ガラスのような透明感のある質感を生み出している。本体の厚さはおおむね8.6mmへ薄型化され、幅も71.7mmにおさえられた。
細かな変更点として、背面に搭載されている脈波センサー(PPGセンサー)の窓枠が四角形から円形へ見直された。
側面のアクションキーには網目状のざらつき加工が施され、視線を落とさず指先で触れるだけでボタンの位置を判別できるよう工夫されている。
高い堅牢性を生かした新機能として、水深1.5mまでの淡水で防水ケースを用いない水中撮影を実現した。
一般的なスマートフォンの防水規格(IPX8やIPX9など)では、水中でボタンを押す操作は浸水のリスクがあるため想定されていない。一方、「arrows Alpha2」は水中でボタンを押しても防水性を担保できるよう、ハードウェアの機構設計を根本から作り直しているという。
ソフトウェアの面でも、水に濡れた画面が誤反応するのを防ぐ仕組みが取り入れられている。Android標準の「アプリピン留め」機能をカメラアプリ起動中に設定して画面タッチを無効化し、側面のアクションキーのみでシャッター操作(長押しで動画撮影)を行う手順となる。
内蔵バッテリーには、高いエネルギー密度を持つシリコンカーボンバッテリーを国内メーカーのスマートフォンとして初めて搭載した。
「arrows Alpha2」におけるシリコンの含有量は約15%におさえられており、安全性や筐体サイズとのバランスを考慮した上で最大容量となる5370mAhを確保している。
昨今の世界的なメモリー部品の価格高騰は、スマートフォンの製造コストに大きな影響を及ぼしている。
「arrows Alpha2」に搭載される12GBのメモリと512GBのストレージという組み合わせは、前モデルと同じだ。しかし業界関係者によれば、原価だけ、部材の価格が約4万円~5万円値上がりしたのだという。
メモリーの高騰、それ以外も含めた世界的なインフレ傾向、為替(円安)といった影響が強まる中、それでもFCNTは「arrows Alpha2」の開発・製造にかかるコストダウンに挑んだ。メモリー以外のハードウェアについては、設計を見直し、前モデルを下回る製造コストを実現したという。
その上で、「8GBメモリー・256GBストレージ」のモデルを新たに追加された。
スマートフォンの最終的な価格は小売店や、NTTドコモのような事業者(直販の場合)が決めるもの。今回、NTTドコモから発売されることになったものの、価格は明らかにされていない。
だが、メモリーやストレージの選択肢を増やし、より割安な価格帯で販売されることを目指した取り組みと言えそうだが、もし前モデルよりも高くなるのであれば、やはりメモリー高騰などの影響を避け得なかったと考えられる。
AIを快適に利用するには、メモリーの大きさが寄与する。8GB版はどうなるか、という点については、「arrows AI」も8GBで快適に動作するようチューニングが施されたという。
SoC(CPU)に前モデルと同じ「Dimensity 8350 Extreme」を継続して採用した背景にも、開発コストの抑制と、最適化による動作の安定性やユーザー体験の維持を優先した狙いがある。
microSDカードスロット(最大2TB対応)は引き続き搭載されている。外部ストレージへの対応はユーザーの購入動機の上位に位置しており、ローカル環境へのデータ保存を好む層のニーズを満たす重要な機能として位置づけられている。