打ち上げ失敗のH3ロケット、衛星の結合部に損傷判明 保護カバー分離後、原因不明の衝撃

H3ロケット8号機が撮影した画像。右下の物体は脱落した準天頂衛星「みちびき」5号機とみられる(JAXA提供)

昨年12月の打ち上げに失敗した日本の主力大型ロケット「H3」8号機は、上空で機体前部の衛星保護カバーを分離後、搭載する国の準天頂衛星「みちびき」5号機と第2段機体の結合部が原因不明の衝撃で損傷していたことが判明した。この影響で衛星は予定より前に機体から脱落。機体も正常な飛行ができなくなったという。宇宙航空研究開発機構(JAXA)が20日、文部科学省の有識者会議で報告した。

これまでの調査で、打ち上げ3分45秒後のカバー分離時に、機体に大きな衝撃が発生したことが判明している。今回は、カバーの分離後に機体のカメラから撮影された画像から、衛星が斜めに傾き、下方に沈み込んだような異常な状態になっていたことが分かった。また時間とともに衛星から保護フィルムがはがれ、表面のパネルが外れていく様子も見て取れた。

そのためJAXAは、カバー分離時の衝撃によって、衛星と機体の結合部が損傷したと結論づけた。また、この影響で結合部の直下にある第2段エンジンの燃料供給機構も傷ついたとみている。

8号機は、カバー分離を経て打ち上げ約5分後に第1段・第2段機体を分離。同約30分後に衛星を分離する予定だった。だが機体分離時に飛行方向の後ろ側を撮影した画像に、衛星本体とみられる物体が宇宙を漂う様子が写っており、衛星はこの段階で脱落していたとみられる。

JAXAは、カバー分離後に機体に生じた衝撃や衛星結合部の損傷の原因について、分離したカバーの衛星への衝突や、漏れ出した燃料や高圧ガスの爆発など、多様な可能性を検討しながら究明を急ぐとしている。

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