北朝鮮が3隻目の駆逐艦の建造開始、ロシアが支援の可能性…核攻撃能力の多様化進める狙いか
【ソウル=依田和彩】朝鮮中央通信は22日、北朝鮮で3隻目となる駆逐艦の建造が始まったと伝えた。北朝鮮は今年2隻の駆逐艦を進水させており、急ピッチで駆逐艦を建造できるのは、軍事協力を強化するロシアの支援があるとみられる。
金正恩氏(2018年6月12日)=ロイター同通信によると、北朝鮮西部の「 南浦(ナムポ) 造船所」で21日、従業員らによる決起集会が開かれ、来年10月10日の朝鮮労働党の創建記念日までに、新たに5000トン級の駆逐艦を建造する計画が発表された。
今年進水した北朝鮮の駆逐艦北朝鮮は今年4月に「 崔賢(チェヒョン) 」、6月に「崔賢」級の2番艦となる「 姜健(カンゴン) 」を相次いで進水させた。今回建造が始まった駆逐艦は「崔賢」級の3番艦だという。
崔賢は排水量5000トン級で、戦術弾道ミサイルや戦略巡航ミサイルなどを装備しているとされている。3番艦も同様の兵器システムを備えるとみられる。
6月の「姜健」の進水式に出席した 金正恩(キムジョンウン) 朝鮮労働党総書記は「来年から、『崔賢級』またはそれ以上の駆逐艦を毎年2隻ずつ建造して作戦海域に配置する」と述べ、海軍力の増強を目指す考えを示した。
北朝鮮には、核攻撃能力の多様化を進める狙いがあるとみられる。北朝鮮との関係を深めるロシアが建造を支援している可能性が指摘されている。韓国軍合同参謀本部は、北朝鮮の駆逐艦について「戦力化には相当な時間が必要だ」と指摘する一方、搭載されている兵器などから「(建造には)ロシアの技術支援や資金援助があった可能性がある」との見方を示している。
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