海底パイプライン破壊でウクライナ人逮捕、22年の爆破で独検察当局

ロシア産天然ガスをドイツに輸送する海底パイプライン「ノルドストリーム」が2022年に爆破された事件で、ウクライナ人の男がイタリアで逮捕された。ノルドストリームのガス流出、22年9月27撮影の提供写真(2025年 ロイター/Danish Defence Command)

[ベルリン 21日 ロイター] - ロシア産天然ガスをドイツに輸送する海底パイプライン「ノルドストリーム」が2022年に爆破された事件で、ウクライナ人の男がイタリアで逮捕された。ドイツ検察当局が21日発表した。今後ドイツに移送されるという。

検察当局の声明によると、ドイツのプライバシー法に基づきセルヒィKとのみ表記された容疑者は、22年9月にデンマークのボーンホルム島付近でパイプラインに破壊装置を仕掛けたグループの一員。共犯者とともに破壊工作のためドイツ北東部のロストクからヨットで島に向かったという。

イタリアのアドリア海沿岸のリミニ県で夜間、イタリア憲兵隊が逮捕した。イタリア当局も49歳の容疑者逮捕を確認したが、それ以上の詳細は明らかにしなかった。

この爆破でロシアから欧州へガスを輸送するパイプライン3本が大きく損傷、ウクライナ紛争が激化するなかロシアからのガス供給が滞り、欧州大陸でのエネルギー逼迫を招いた。

ウクライナ大統領府の当局者は、逮捕者が不明なためコメントできないとし、損傷へのウクライナの関与を改めて否定した。

米国やロシアも関与を否定しており、ロシアは西側諸国による妨害行為と非難したが、証拠は示していない。

デンマークとスウェーデンは24年2月に捜査を終了、捜査を継続しているのはドイツだけだった。

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