【レポート】二宮和也の演技を主演映画『8番出口』の監督が絶賛!「天才なんだって思いました」
映画『8番出口』のIMAX(R)先行上映が、本作を象徴する数字が連なった8月8日(ハチハチの日)に東京・TOHOシネマズ日比谷にて行われ、上映後、主演の二宮和也、川村元気監督が登壇。ネタバレ=秘密を共有する異例づくしのシークレットミーティングを開催された。
上映終了後、熱が冷めやらぬまま会場にテーマ曲のボレロが流れ、主演の二宮和也、川村元気監督が登場。
二宮は「本日はお越しいただきありがとうございます! そして、中継先の皆さんもありがとうございます! 今日はいろいろお話できたらと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします」、川村監督が「まずは日本最速上映に参加できた皆さん、おめでとうございます(笑)。いままで僕たちは内容全体の半分も話せない状態だったので、今日は思い切り中身について皆さんと共有できたらと思います。観ていただいたからわかると思いますが、映像はもちろん、音にもとてもこだわって作っていたので、最初にこの作品を観ていただく方には世界最高の音で観ていただきたいという想いがありました」と、各々挨拶をすると、会場からは大きな拍手が起こった。
その拍手に応えるように「映画公開前に有料の先行上映なんていままで経験がなかったので、お金を出していただいて、しかも全国の映画館でこの映像が流れるなんて、すごいことですよね」と、二宮はうれしそうにコメントした。
まずは、映画を観終えたばかりの観客を前に「感想がやっぱり気になります。原作が好きで映画を観ようって方もいますからね。最初に話を聞いたとき、一本の映画になるのだろうか? と、多くの皆さんと同じように不安な気持ちでした」と二宮。
これを受けて川村監督は「僕にはそんな不安な様子を見せていなかったけど、やはり不安だった? 確かに、最初に原作のゲームに出会ったとき、あの日本的な白くてきれいな空間でループする映像をスクリーンでみたら面白いだろうな、“異変がある”“異変がない”の二択の繰り返しのルールが大きな人間ドラマに関わってきたら面白いだろうなと思ってプロットを作ったんです。その後、すぐに二宮くんに見せたけど、そのときの二宮くんは確かに不安そうな顔をしていました(笑)。二宮くんも脚本協力でクレジットされているけど、もはや誰がどのアイデアを出したのかわからないくらい、最初からディスカッションしてみんなで作っていきましたね」と語った。
本作では、登場人物に全員、名前がない。川村監督は「だいたい映画は履歴書みたいな資料を作るんですよ。普通の俳優さんだったら、名前もない役だし、拠り所がないから履歴書をくださいって言われると思うので、今回も用意していつ渡そうかなって思っていたんですけど、クランクアップまで何も言わなかった」、二宮は「もらわずとも、そういう役作りができたっていうのは大きかったです。“なぜこういう行動をするのか?”とか、適宜教えてくれるので、自分的には結果的に履歴書をもらったことと一緒ですが、システム的にどさっとまとめて渡されるよりは、話のなかで進めていけるのは良かったなと思います」と明かした。
本作では「脚本協力」として、製作に深く携わっていた二宮。川村監督とのコンビネーションは、ある意味無限ループのようだったそう。
「一緒に編集した映像を観て、夜に現場で“次の日にこのシーンを録り直そう”“構成を変えよう”みたいな打ち合わせをして、共同脚本の平瀬(謙太朗)くんと脚本を修正して、夜のうちに二宮くんに送って、修正して、翌朝打ち合わせをして、また同じシーンを撮影する…みたいな本当にゲームのテストプレイのような撮影でした」と川村監督がいうと、「皆さん“今日、何を撮るの?”みたいな感じでしたよね。そんな作業を繰り返す毎日でした」と二宮は振り返った。
「ずっとループしているようなぐるぐるしている話なので、本当にしびれました」と話すように、今まで多くの作品に出演してきた二宮も初めてだったという特殊な撮影方法。川村監督は「ゲームと映画の境目が曖昧な映画体験をしてほしくて。ゲーム実況も同じですよね。なので、この作品も同じように観てもらって、途中で頑張ってゲームをクリアしようとする二宮くんをみて楽しい! みたいな、ゲームを見ているような体験が映画になっていれば、それは史上初かなと思って作りました」とその意図を伝えた。
本作の演技について二宮は「塩・胡椒くらいの味付けしかしていない」と言う。それに対し、「映像を編集していて気づくんですよ。ここのシーンは二宮くん、動きが早すぎでは…って思っても、編集してみたら、早いほうがよかったみたいなことが多くて。ペース配分に関しても天才なんだって思いました」と、川村監督が話すとにっこりと笑顔になってご満悦な様子の二宮。場内から中継先まで拍手が巻き起こると「ありがとうございます!」とうれしそうに全方位に向けてお辞儀をし、感謝を伝えていた。
その他、まだ明かせない映画製作の裏側をたっぷり話したところで、イベントの本題へ。映画公開まで3週間となった本作だが、「二宮さんから全国のお客様へお話したいことがあるんですよね?」とMCに聞かれると、二宮は「公開に先駆けてご覧いただいた皆様に、お願いがあります」と手紙を読み上げ、約3,000人の共犯者(観客)に向けてネタバレに関するお願い事を発表。ここでしか聞けない秘密の共有に、会場全体が真剣に耳を傾けていた。
そして川村監督は「作った僕たちも一回どのような映画なんだろうって、カンヌ国際映画祭で拍手を浴びてもまだ実感が湧かなくて。こういうところが面白かった、なんて感想を聞きたいので、ぜひネタバレを回避しながらコメントを書いてほしいですね」とコメント。
二宮が「皆さんもいままで数々の映画を観てきたなかでも、本作は異質な作品に入ってくると思います。だからこそ感想を聞いてみたい。ネタバレを気にして書くことがなかったら“良かった”だけでもいいので(笑)、ぜひ多くの声を聞かせてほしいです」と締め、シークレットミーティングが終了した。
トークセッションが終了し、いったん二宮と川村監督が降壇すると、なんと、本編のなかで異質な存在感を放つ“歩く男(河内大和)”が場内にサプライズで出現。
「え…!?」と、ざわざわする場内をよそに、真顔で客席をぐるっと一周すると、ポツンと空席になっていたシートに着席。そのまま二宮、監督が再入場しフォトセッションがスタート。“歩く男”のうちわを掲げた観客に混じって“歩く男”が写り込む、異変だらけのフォトセッションとなった。
映画『8番出口』は、8月29日から全国公開。
映画情報
『8番出口』8月29日(金)公開原作:KOTAKE CREATE『8番出口』配給:東宝監督:川村元気脚本:平瀬謙太朗、川村元気音楽: Yasutaka Nakata(CAPSULE)、網守将平出演:二宮和也、河内大和、浅沼成、花瀬琴音、小松菜奈脚本協力:二宮和也
(C)2025 映画「8番出口」製作委員会
映画『8番出口』作品サイトexit8-movie.toho.co.jp/